5月25日、日本華文女性作家協会会長の弥生(やよい)女史が主催し、副会長の杜海玲女史が司会を務めた新刊『花所望』の発表会が、中国文化センターで盛大に開催されました。
このイベントは、日本在住の中国人女性作家の作品を「朗読」と「共感」という形で紹介する初めての試みでした。朗読会に参加した人々からは好評を得ました。
主催側会長弥生女史ご挨拶
「花所望」は、弁護士である裘索女史の最初の文学散文集であり、本書には40の散文が収められています。これらの散文は、花や植物に関連するものが多く、中日の要素が含まれており、作者自身の人生の経験やさまざまな思い出とも関連しています。
「花所望」というタイトルは、日本の茶道における言葉であり、茶の主人が茶室で花の美しさを客に見せる礼法を指しています。
「花所望」は、花を通じて季節の表現を最も直接に表現する方法の一つです。作者は長い間、日本の華道と茶道を学び、そこから感じる美と喜びを体験してきました。同時に、華道や茶道の中での適度な選択や順序の取り方、進退の秩序によって、人生の各段階の自然な状態を感じ取っています。
冒頭では、日本華文女作家協会の会長である弥生(やよい)女史が、まず裘索氏と彼女の著書である「花所望」について紹介しました。
その後は、日本華文女作家協会の活動についてもご紹介しました。
日中協会理事・長瀬野清水氏がスピーチ、日本華文文学の将来発展に期待
日中協会の理事長である瀬野清水氏は、ゲストとしてスピーチを行いました。
また、華侨大学からの訪日中の陳庆妃教授は、海外華文文学の進歩と発展に常に関心を持ち、自身の研究視点から裘索の「花所望」に対して評価を行いました。さらに、学者や評論家の視点から、日本の華文文学の過去を分析し、日本の華文文学の将来の発展に大いなる期待を寄せました。
【花所望】文学散文集作は弁護士・裘索女史の力作!中日文化融合多彩なる本
裘索は弁護士であり、『日本国検察制度』、『日本国弁護士制度』、『日本の違憲審査制度及び中国への示唆』などの著作を出版しました。彼女は鋭い視点を持つことで知られていますが、反面、花鳥風月の文学に転身することもできました。
もし『花所望』を日本華文文学の30年の歴程の中に位置づけるならば、『花所望』はある意味で留学生文学から新たな華僑文学への「言語の転換」を意味しています。
作者・裘索女史が早稻田大学、日本大学、暨南大学の日本学院に本を贈呈
会場では、裘索女史が早稻田大学、日本大学、そして暨南大学の日本学院に本を贈呈しました。
日本華文女作家協会の名誉会長である華純女史は、「日中平和友好条約締結45周年記念イベント」の一環として、日本華文女作家協会による読書会を紹介しました。このイベントは、中日文化の特色が融合された多彩な本を皆さんに紹介するものでした。
日本華文女作家協会名誉会長華純女史より本の内容をご紹介
華純女史は次のように述べています。
「私自身も花を生けることが好きで、俳句を書くことも好きです。また、旅行経験を持っており、この本には内面的な共感がもてます。
裘索さんは、植物や花々を記録した文字に心を込めて触れ、その小さな感動を日常生活に取り入れ、花や草木と感情的な交流をし、取捨適度な人生の洞察を得ています。」
「魅力的で認められるのは、花が美を創造するツールに留まらず、修行の対象であるということです。花や草木が侘び寂びや花器や文学に取り入れられることで、非常に豊かな美が生まれます。
中国の賢人たちは“物を乗りこなし心を遊ばせる”と言い、また“物を通じて知を得る”ことを尊ぶ人々は、「物」への観照を通じて心の本質を明らかにし、探求と問いを行っていました。」
「日本では、花道茶道や香道を学び、文化を選び、自己教養を深めます。
人生で最も素晴らしい状態は、無限の風景の中から内面の清潔さを見つけることです。茶道のように、鉄の釜の水は沸いていますが、心は静かです。
裘索さんは女性弁護士として中日両国の職場を行き来していますが、多忙な中で自身のために静かな場所を作り出し、自身の定めを見つける才能を持っており、読者に対して“沧海桑田の風雲変幻の中でも、ただ草木は動じず”という人生の哲学について考えるように促しています。」
日本の華文作家7人が『花所望』の一章を選んで朗読
現場では、日本の華文作家7人がそれぞれ『花所望』の一章を選んで朗読しました。
日本華人文化協会会長晋殴氏更なるご活躍を期待
このイベントは、日本華人文化協会の会長である晋鸥殴氏と「中国文化センター」の大きな支援と助力を得て成功しました。日本華文女作家協会の更なるご活躍を期待いたします。
今年は日中国交正常化50周年。そんな大切な節目に、晋鸥芸術学院及び中国文化センターの共同開催による「晋鸥来日30周年記念師生書法篆刻展」が11月5日から10日まで東京中国文化センターにて盛大に行われました。 晋鸥氏は来日30年以来、初心を忘れず書法、篆刻の研究発展と伝授を続け、...
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
⇒より詳しくはこちら