先日、筆者は梅雨の合間の晴れた日に上野公園を訪れました。ずっと前にニュースで上野公園の不忍池に鑑真和上の銅像が立っていることを知り、久しぶりに不忍池に向かいました。
蓮の葉が池一面を飾り、ところどころピンク色を帯びた蓮のつぼみが見えました。
池の周りは桜並木が並んでいるメイン通りとは大分違い、静かな良い環境でした。歩くと気持ちが良かったです。道沿いの紫陽花がちょうど盛りで、池と青空を眺めながら歩くと、パワーをもらえるような感覚になりました。パワースポットのような気がしました。
上野公園 不忍池にそびえたつ鑑真銅像
上野恩賜公園の不忍池のほとりには、「鑑真銅像」が設置されました。この銅像は、国際的にも著名な中国の彫刻家であり中国美術館館長である呉為山氏によって手掛けられました。銅像は高さ2.18メートルで、頭部から下に向かって大きく広がっています。着物は厚みがあり、袖も膨らんでいて、強い風にも耐えながら困難を乗り越えて日本にやってきた鑑真和上を表しています。
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— グローバル医職住ラボ (@IS_Intern) June 26, 2023
銅像の後ろには、ハスの池が広がり、その向こうには弁天堂とスカイツリーが見えます。この風景からは、時代と共に歩みを進めるような風格が感じられます。
鑑真和上は失明しながらも日本に仏教を伝えた偉人です。鑑真和上は日中が永遠に仲良くしていくことを望んでいるでしょう。
【鑑真銅像の除幕式】―上野恩賜公園で2022年7月20日に行われました!
鑑真像は、国際的に評価される中国美術館の呉為山館長によって制作され、東京都に寄贈されました。銅像の除幕式は2022年7月20日に上野公園の不忍池のほとりで行われ、孔鉉佑前駐日大使、小池百合子東京都知事、三宅伸吾外務大臣政務官が除幕を行いました。
中国駐日孔前大使は式典の挨拶で「鑑真大師は中日間の文化交流史における先駆者であり、中日交流のシンボルです。その銅像が上野公園内に建立されたことは、中日両国が国交正常化50周年を迎えた節目の年において重要な意義を持ちます」と述べました。また「鑑真大師は日本に滞在した10年間、仏法の教義を広めただけでなく、唐代の書籍、絵画、書、彫刻、医薬、工芸、印刷、建築、飲食などの文化も日本に伝えた。」と述べました。
小池知事は、「世界的に著名な芸術家である呉為山氏が制作したこの鑑真像を、東京都に寄贈くださることに感謝申し上げます。鑑真和上は、日中友好の歴史上、極めて重要な人物であり、日本に与えた影響は計り知れません。今年は、日中国交正常化50周年の年です。この像の設置が、両国の友好の一助となることを期待しています。」と述べました。
三宅伸吾外務大臣政務官は、挨拶の中で「本年の日中国交正常化50周年を契機として、両国の国民交流や経済交流をしっかりと後押ししていくことが重要である」と述べました。また、両国の節目の年に建立された「鑑真像」が、日中の交流の新たな象徴となり、多くの人々に親しまれる存在となることを願っていると述べました。
「鑑真和上」はどんな人物かご存じですか?
「鑑真和上」は、約1200年前に中国唐代の高僧であり、日本への渡航を試み、苦難を乗り越えて6度目の試みで成功し、西暦735年に日本に到着しました。奈良時代に帰化し日本の律宗の開祖となった人物です。俗名は淳于で、揚州出身です。
彼は5度の渡海に失敗した後、6度目の試みで日本に到着しました。長い間の苦労の末にたどり着いたため、両目を失明していました。
日本に到着した鑑真和上は、東大寺大仏殿に戒壇を築き、400人以上の僧侶に授戒を行いました。これにより、授戒を受けなければ僧侶になることができなくなり、日本における僧侶の資格制度の基礎が築かれました。
その功績により、鑑真和上は大和上に任じられ、唐招提寺を創建しました。また、ここでも戒壇を設置し、若い僧侶たちに戒律を教えました。彼は76歳で亡くなりました。
鑑真和上は5度もの失敗や失明を乗り越えて日本に戒律を伝えるために訪れた存在です。
彼の功績により、現代の日本の仏教が形成されたと言っても過言ではありません。
中国美術館の呉為山館長によって制作された「鑑真銅像」を寄贈
国際的な彫刻家である中国美術館の呉為山館長は、『鑑真銅像』の彫刻について、「2022年は中日国交正常化50周年を迎える年であり、鑑真を代表的な人物とすることで、両国の悠久の文化交流史を振り返ることができる」と指摘しています。
鑑真和上は日本で仏教を広めるだけでなく、唐の文化を日本に普及させ、日本の医学、建築、芸術などの発展に大きく貢献しました。
日本に仏教を伝えた人物であり、日中文化交流の恩人・鑑真和上。四季折々の緑豊かな上野公園で、ずっと平和を愛する人々を見守っていてほしいですね。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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