中国では新暦の新年ではなく、旧暦の春節をお正月として祝います。春節は中国で最も大きな祝日であり、重要な伝統祭事。
春節は中国旧暦に基づいているため、2023年の春節は1月22日(日曜日)です。この頃は中国では一番盛り上がる時期でもあります。
では、春節はいつまで続くのかというと、元宵節(ゲンショウセツ)までです。元宵節とはお正月の最後の行事で、旧暦1月15日にあたる日に行われます。2023年の元宵節は2月5日です。
【中国では春節をどうやってお祝いするの?】
春節のお祝い方は地方によりさまざまです。
龍の舞や獅子舞などのお祝い方もあれば、赤い灯篭、春聯など縁起物を飾りつけたり、爆竹や花火をあげたりすることも。いずれも代表的なお祝い方法です。
春節でよく取り入れられる色は赤。赤はおめでたい色と考えられていて、春節では道路に赤い提灯を掲げ、入り口には赤い対句を飾ります。
2023年は卯(うさぎ)年なので、兎のぬいぐるみや兎の描かれた正月のものもたくさんあります。
春節の主な食べ物は魚。魚は中国語で「余」という漢字と読み方が同じであることから、「余裕」や「収穫」などのポジティブなイメージを彷彿させるそう。このことから魚は幸運の象徴とされ、強調されています。特に大晦日の『団欒飯』には欠かせない食べ物です。
旧正月で「幸せになる食べ物」と考えられているのは次のとおりです。
- 魚(繁栄を表す)
- 餃子(富をもたらす)
- 年糕(仕事と生活が年々高くなるよう)
【お正月最後の行事・元宵節って何?どう過ごす?】
春節(旧暦元旦)から数えて15日目過ぎた日を元宵節といいます。また“正月十五 zhēngyuè shíwǔ”とも言います。今年の元宵節は2月5日です。
当日は元宵(胡麻やいろいろな種類のあんこが入った団子)を食べながら一家団欒をして過ごすのが一般的です。
獅子舞や銅鑼、太鼓の演奏など様々なイベントが代表例ですが、地域によっては飾りつけした提灯を見たり、燈籠やちょうちんの上になぞなぞを書いて当てさせる遊びをしたりします。昼は市場のように賑やかで、夜になると提灯が点りとても綺麗です。
獅子舞のほか、龍の舞い、采蓮船踊り、高足踊り、ヤンコ踊りなどの「百戯」と呼ばれるものは清朝の時代までに加わりました。
【元宵節の由来】
元宵節は「上元節」「灯節」とも称されています。元宵節の縁起には諸説がありますが、古代中国の漢文帝(紀元前179年―紀元前157年)が周勃氏により、諸呂の乱を平定した正月十五日を記念してこの日を元宵節と定めたといわれています。
まとめ
正月15日元宵節(げんしようせつ)は、この夜を中心に前後数日間,家々の軒先や街角に色とりどりの提灯(元宵観灯)がともされ,人々は新年最初の満月の夜を楽しみます。
徐々に提灯の色も薄くなり、正月の余音と共に人々は新しい一年の生活に向かっていきます。
「今年も世界が平和で、人々も平安で健康と幸せな一年であるように」と願いを込め、中国の人々は新しい一年を切り拓いていくでしょう。
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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