国連総会は現地時間2023年12月22日、中国の春節(旧正月)を国連の祝日に指定する決議を全会一致で採択しました。
中国の春節とは?
世界の人口約5分の1が中国の春節を楽しむ
中国の春節は、一家団欒を楽しみ、旧年に別れを告げて新年を迎える伝統的な祝日です。春節は世界中で受け入れられており、世界人口の約5分の1がさまざまな形で春節を祝っています。また、世界の多くの国で、春節に合わせて祝日が設定されています。
国連が中国の中華文化・伝統に対するリスペクトを示す中で、この重要な伝統的祝日が認められたことについて
春節が国連指定の休日になるとどのようなことが起こるのでしょうか。
①「新華社」によると、国連の祝日に指定した場合、会議などの開催をなるべく避ける方針がとられることになります。この措置がとられるということは、「異文化の尊重」「世界中の人々が春節を祝う機会を確保するための配慮」といえます。春節は毎年1~2月の間で日付が変わるからです。
②中国の戴兵・国連次席大使は、春節が国連の祝日に指定されることが決まった後、次のようにコメントしています。
③外交部の定例記者会見で毛寧報道官は、次のように述べました。
春節の豆知識について
①春節はいつ?
春節は中国旧暦に基づいているため、2023年の春節は1月22日、2025年は1月29日と毎年日にちが異なります。2024年の春節は2月10日(土)で、休み期間は2月10日(土)から2月17日(土)までの8連休になります。
②中国春節(旧正月)の過ごし方、食べ物、挨拶について
中国人が春節を祝う方法は多岐にわたります。以下が代表的なものです。
- 家族団らん:春節には家族が集まり、一緒に食事を楽しんだり、お互いに贈り物を交換したりします。この時期に家族で一緒に過ごすことが重要視されます。
- 年夜食:春節の前夜、つまり除夕には、家族が一堂に会し、豪華な年夜食を楽しみます。この食事には、伝統的な料理や家族の好みの料理が含まれます。
- 紅包の交換:年長者から若い世代へのお年玉である紅包が交換されます。これは幸運と豊かさを祈る習慣で、特に子供たちにとって楽しみな行事です。
- 花火や爆竹:春節の夜には花火や爆竹が打ち上げられ、祝祭の雰囲気を盛り上げます。これは悪い霊を追い払い、新年を迎えるためのものです。
- 春節晩会:地域やコミュニティでは、春節晩会が開かれ、伝統的な音楽や舞踏、歌唱などの催し物が行われます。
これらの伝統的な行事は、中国全土で春節を祝う際に見られる一般的な慣習です。
③中国語で春節の挨拶・よく使われる新年挨拶
- 新年快楽(新年快乐 / xīn nián kuài lè)新年あけましておめでとう
- 恭喜発財(恭喜发财 / gōng xǐ fā cái)経済的に豊かになりますように
- 大吉大利(dà jí dà lì)大きな良いことがありますように
④春節の食べ物
春節の食べ物は、幸運な象徴的な意味を強調しています。これらの食べ物は、春節期間によく食べられます。特に大晦日の「団欒飯」には欠かせない食べ物です。以下は旧正月の食べ物で最も幸運なものとされています。
- 魚(繁栄を象徴)
- 餃子(富をもたらす)
- 年糕(仕事と生活が年々高くなることを象徴)
元宵節とは
「元宵節」とは、中国の伝統的な祝日で旧暦正月の十五日にあたります。春節に次ぐ大切な祝日であり、旧暦新年の最初の満月の日でもあります。
元宵節が終わると春節も終わりを告げ、春の到来を象徴します。この日には、家族で元宵(あんこの入った団子)を食べながら団欒し、各地で飾りつけられた提灯を見たり、なぞなぞを書いたりして遊びます。また、銅鑼や太鼓の演奏、獅子舞などの様々なイベントが行われ、祝福されます。
日本三大中華街の横浜・神戸・長崎で春節を楽しもう
2024年、日本三大中華街の横浜・神戸・長崎では、中国の旧正月「春節」を祝うイベントが開催されます。それぞれで異なる催し物が行われ、街はいつも以上に賑やかになります。食べ歩きや美味しい食事を楽しみながら、日本でも「春節」を満喫しましょう!
【横浜中華街】
- 開催期間:2024年2月10日(土)~2月24日(土)
- 場所:横浜市|元町・山手・中華街・山下公園
- 点灯時間:16:00~23:00
横浜中華街では、2023年11月1日(水)から2024年2月24日(土)にかけて、「春節燈花」というイルミネーションが開催されます。
また、2月10日の「春節」当日は爆竹や太鼓の音が鳴り響く中、伝統の獅子舞「採青(ツァイチン)」が行われ、中華街はまさに春節独特の雰囲気になります。
【兵庫県】神戸南京町中華街
- 開催期間:2024年2月10日(土)~2月12日(月祝)
- 場所:神戸市|南京町エリア
【長崎県】長崎新地中華街
- 開催期間:2024年2月9日(金)~2月25日(日)
- 場所:長崎市|新地中華街、観光通りアーケード、中央公園
- 点灯時間:2月10日(土)は18:00から点灯
長崎市の新地中華街では、2024年2月9日(金)~2月25日(日)にかけて「長崎ランタンフェスティバル」が開催されます。
春節の祝日指定は、文化の多様性と尊重を象徴
世界は多様性を求めています。異なる文化や伝統を尊重し、理解し合うことが、より包括的な社会を築くための重要な要素とされています。
国連が春節を祝日に指定したことは、文化の多様性と尊重の象徴といえます。春節は中国やアジア諸国で重要な伝統的な祝日。この決議によって国際社会が異なる文化を尊重し、その重要性を認識する一歩となりました。
春節を国連の祝日として取り入れることで、文化交流や理解が促進され、世界中の人々が異なる文化を尊重し、共に祝うことが可能となりました。これは、世界が多様性を求め異なる文化を尊重する方向に進んでいることを示しているといえます。