最近、筆者は地元の小学校に編入してきた外国人の子どもたちのサポートに参加し、彼らが日本の学校生活に慣れる手助けをする機会がありました。その中で、子どもたちが困難を抱えていることに気付き、同時に彼らのお母さんたちも大変な状況にあると知りました。
特に中国から来たお母さんたちは、日本での生活経験がないだけでなく、子どもたちの小学校で必要な教材や学習道具の準備にも困っています。自身が日本の小学校を経験したことがないため、非常に困惑している様子がよく見受けられます。
さらに、国によってはエチケットや礼儀作法も異なるため、うっかりするとまったく逆の習慣によって誤解やトラブルが生じる可能性もあります。そのため、この問題を提起し、少なくとも周囲の国々との異なる習慣について事前に理解しておくことで、誤解を解消し、スムーズに対応できると考えています。
国によって礼儀とエチケットは異なる
礼儀とエチケットにはいくつかの違いがあります。また、それぞれの国によってマナーも異なります。
フランス料理や韓国料理など、外国の食事マナーについてはさまざまな情報が言及されていますが、実は日本の食事マナーに関しては、日本人にとって当たり前すぎて、充実した情報はあまりありません。
箸の使い方や器の持ち方など、基本的なマナーや食べ物に対する考え方は、各家庭や保育園などで教えられていると思いますが、実は日本食のマナーには私たちが普段当たり前に行っていること以外にもさまざまなポイントがあります。
「日本と中国の食事のマナーの相違」について
日本では問題ない食事のマナーでも、中国ではマナー違反になることがあります。
逆に、中国では一般的な食事のマナーであっても、日本では周囲を不快にさせるなど、食べ方にも文化の違いがあることを理解する必要があります。
以下では、中国で食事をする際の特徴的なマナーについて紹介します。
汁物や麺は音を立てて食べない
日本の場合、麺類はあえて音を立てて食べたり、みそ汁をすするときにも音を立てたりするのが良しとされることが多いですが、中国の場合は、音を立てて食べることは厳禁とされています。他の食事のマナーと比較して、「音を立てて食べる」という行為には特に厳しく注意が必要です。日本にいるときの感覚でラーメンをずるずると食べていると、注意される可能性が高いです。
食べ物を残す
日本の食事のマナーでは、出された料理は残さずに食べることで、料理を作ってくれた人や食材への感謝の意を表します。しかし、中国の食事のマナーでは、料理を少しだけ残すのが一般的です。綺麗に残さず食べるのではなく、一口分程度残すことで「食べきれないほど十分に料理を提供してもらい、満足した」という気持ちを表します。また、インドなどでは、お皿の料理をすべて食べ切ることは、おかわりを求めるサインとなってしまう場合もあるため、きれいに食べ切ることが必ずしも正解ではないことを知っておきましょう。
目上の人から食事を始める
中国では、食事をする前に「いただきます」といった挨拶をしません。そして、目上の人が箸をつけたことを確認してから他の人が食べ始めるのがマナーです。家庭では祖父母、両親の順で食べ始め、最後に子どもや孫が食事を始めます。
中国と日本では「靴」の扱い方も違う
日本では、一般的に屋内では靴を脱ぐことが一般的ですが、中国では一部の場所や状況を除いては、靴を脱ぐことはあまり一般的ではありません。
以下の点にも留意しましょう。
- 日本の伝統的な文化では、室内では靴を脱ぐことが一般的です。これは清潔さや敬意を表す行為とされています。日本の家庭や一部の公共施設では、玄関や玄関先で靴を脱ぎ、室内ではスリッパや裸足で過ごすことが一般的です。
- 一方、中国では、一部の場所や状況を除いては、靴を脱ぐことはあまり一般的ではありません。一般的には、公共の場所や商業施設、レストラン、オフィスなどでは、靴を履いたままで過ごすことが一般的です。ただし、一部の伝統的な建築物や寺院、特別な場所では、靴を脱ぐことが求められる場合があります。
場所や状況によって異なることがありますので、現地の習慣やルールに従うことが重要です。訪れる場所や状況に応じて、靴を脱ぐかどうかを判断しましょう。また、訪問先での靴の扱いに関しては、現地の人々に倣い、敬意を持って行動することが大切です。
これらは一般的な違いの一部ですが、個々の人や地域によっても異なることがあります。
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
⇒より詳しくはこちら