10月20日、中国養父母謝恩会の設立25周年を祝うとともに、「第3回日中友好文化交流会」が神奈川県立地球市民かながわプラザホールで開催されました。同交流会は日中両国の政府と国民に対して、養育の恩への感謝と大きな人間愛を最大限に発揚し、継承していくことを謳っています。今回は日中民間団体や在日華人華僑団体から積極的な支援を得て、戦争の苦しみや平和の尊さを共有し、日中の友好と人間愛を未来に引き継ぐことを目的としています。
筆者は同交流会に参加し、メンバー全員が心を込めて用意した多彩なプログラムを楽しむことができ、とても感銘を受けました。今回は、当日の様子を紹介いたします。
※中国養父母謝恩会とは、戦後中国で日本人孤児を育ててくれた養父母に感謝を示し、日中両国の友好と平和を推進する団体。日本帰国後、社会の支援のおかげで日本社会に溶け込むことができ、日本政府からも老後生活の安定を支援されている。
日中友好の絆を深める養父母謝恩会25周年の祝い
養父母謝恩会設立25周年記念イベントのご挨拶
同交流会は中国養父母謝恩会の会長、菅原幸子氏の挨拶から始まりました。来賓には、中国文化センター所長の羅玉泉氏、東京日中友好協会副会長の永田 哲二氏、神奈川日中友好協会副会長の上島 保氏、中国養父母謝恩会会長の菅原 幸子氏、全日本華僑総商会 会長の陳玮氏、中国帰国者福祉援護協会理事長の末崎 勇氏、日中精武会連盟・日中文武術交流協会会長の常松 勝氏、一笑院院長の佐々木 弘志氏、愛心国際交流協会会長、テノール歌手の劉子真氏、聯合周報・聯合テレビ社長の貝龍氏、中国帰国の日本人戦争孤児らが出席し、大いに盛り上がりました。
コロナ禍での活動報告から2025年の活動計画を発表
交流会の前に、中国養父母謝恩会は、2019年から2024年の活動を振り返る総括会を開催し、菅原 幸子会長が報告を行いました。
菅原会長は「3年間のパンデミックが私たちの生活に大きな影響を与えたものの、全会員が家族として密接に連携し、困難な時期を共に乗り越えたと述べました」。
会員は中国の抗疫活動を支援し、日中友好条約締結45周年や日中邦交正常化50周年のイベントに積極的に参加しました。特に、2019年には全会員で沈陽、大連、黒竜江省にマスク2万枚を支援し、感謝の手紙も受け取りました。また、募金活動で80万円を集め、中国大使館に送付し、高い評価を得ました。
パンデミックの中でも、日本国内の経済を活性化させるために、名古屋や富士山などへの旅行を企画し、感染者は出ませんでした。さらに、神奈川日中友好協会に参加し、日中友好の促進にも努めました。総括会では2025年の活動計画も発表されました。
感謝と絆の25年ー養父母謝恩会の歩み
菅原会長は、感謝と絆の25年を歩んできた養父母謝恩会の歴史を、以下のように振り返りました。
過去を振り返ると、養父母謝恩会の設立以来、政府関係機関からの支援や、数多くの友好団体、識者の関心と支援、そしてすべての会員からの信頼と愛護を受けて、私たちは不断に発展し、今日に至っています。特に近年、多くの帰国者の第二世代がこの大家族に積極的に加入してくれています。彼らの情熱と無私の奉仕の精神が、養父母謝恩会に新たな活力を与えています。
私たちは、自尊心と自立心、団結と相互扶助を理念として、会員へのサービス、社会への還元、日中友好交流の促進に努めており、社会から広く称賛されています。本日は、忙しい中、各地からお越しいただいた皆様に心から感謝申し上げます。これは私たちへの最大の支援と励ましです。
さらに感動したのは、年齢が高く体が弱い老会員の方々が子供たちの陪伴を受けてここにいらっしゃったことです。これは彼らの謝恩会への愛と変わらぬ精神を示しており、会の雰囲気と自信を高めてくれました。改めて心より感謝申し上げます。
来賓の祝辞と挨拶
横浜市議会議員の中島氏、東京日中友好協会副会長の永田哲二氏、中国文化センター所長の羅玉泉氏、神奈川日中友好協会副会長の上島保氏、全日本華僑総商会会長の陳玮氏、日中武術交流協会会長の常松勝氏も交流の場で挨拶し、養父母謝恩会の設立25周年の道のりを高く評価し、演出の成功を祈念しました。
心をつなぐ文化交流ー第3回日中友好文芸演目
挨拶終了後、中国養父母謝恩会の設立25周年および第3回日中友好文化交流会の文芸演目が始まりました。中国帰国の日本戦争孤児やその子どもたちが積極的に出演し、多くの出演者は80歳を超えてもなお活気に満ち、優雅な舞いと力強い歌声を披露しました。
素晴らしいパフォーマンスには、何度も熱烈な拍手が送られました。出演者の中で最も高齢の方は80歳、最も若い方は50歳、平均年齢は65歳です。世代を超えた演目はどれも心が温まり、穏やかな気持ちになるひと時でした。
まとめ
今回の交流会は、中国養父母謝恩会が主催し、一般社団法人神奈川日本中国友好協会、社団法人日中精武会連盟、日中文武術交流協会、東京大連友好協会、洹海金麒株式会社、NDPO法人愛心国際交流協会、一般社団法人日本黒竜江同郷総会などが後援しました。
同交流会の目的は、日中両国の政府や国民に養育の恩への感謝を伝え、人間愛を広め、次世代に継承することです。また、戦争がもたらす苦難や平和の大切さを再認識してもらい、その歴史を多くの人々に知っていただくことで、日中の友好と世界平和に寄与したいと考えています。このような活動を通じ、日中両国の絆が一層深まることを願い、会員一同、尽力しています。
次回は、中国養父母謝恩会の会長菅原幸子氏に直接会の趣旨活度等についてお伺いしたいと思います。どうぞご期待ください。
【写真】一部は中国養父母謝恩会より
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■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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