神楽坂には、訪れる価値のある魅力的なお店が数多くあります。その中でも「相馬屋源四郎商店」は、1659年創業の老舗文房具店として、原稿用紙の発祥地として知られています。
今回筆者は、たまたま立ち寄ったこのお店で、文豪たちに愛された伝統ある原稿用紙や、歴史を感じる空間に魅了されました。本記事では、この老舗文房具店の魅力や歴史についてご紹介しながら、神楽坂の街並みとともに味わえる文化の一端をお伝えします。
文豪に愛された原稿用紙の世界—神楽坂の老舗文房具店
老舗の文房具店で特に印象に残ったのは、伝統を感じる店内の雰囲気です。歴史ある展示品が、長い年月を経ても大切にされている様子が伝わり、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わいました。
奥の原稿用紙コーナー
特に目を引いたのは、店の奥にある原稿用紙コーナーです。ショーケース越しに見えるのは、文豪たちが実際に書き上げた原稿。北原白秋の『邪宗門』や、尾崎紅葉、坪内逍遥の直筆原稿に加え、夏目漱石が『坊ちゃん』の印税を書き留めたメモも展示されています。今ではお馴染みの読書感想文や卒業文集用の原稿用紙も並んでおり、昔と今が一緒に感じられます。
また、文豪たちにも愛用された「相馬屋製」の原稿用紙。その誕生のきっかけは、偶然から生まれた尾崎紅葉のアドバイスだそうです。
そして、ここで夏目漱石が使用したとされる原稿用紙を実際に見ることができた瞬間、心が震えるほどの感動を覚えました。一枚一枚に込められた時代の空気や作家たちの思いが、深く伝わってきました。
日本の原稿用紙の誕生と広がり—夏目漱石と相馬屋文房具店
日本の原稿用紙の広がりはいつから?
原稿用紙の歴史について、三村泰一氏の「原稿用紙の歴史」(2016年5月 春季研究発表会)によると、原稿用紙の普及は、江戸末期から明治にかけての時期に始まりました。この時期、出版業と縦横罫の原稿用紙が結びつき、明治20年代には、坪内逍遙、樋口一葉、尾崎紅葉といった近代作家たちが原稿用紙を使用し始めます。
さらに、作家たちは自ら原稿用紙を刷らせるようになり、明治末期には夏目漱石が朝日新聞の組版に合わせた原稿用紙を作成したことも知られています。このような原稿用紙は、相馬屋や満寿屋といった文房具店でも販売されました。しかし、明治後半までは、誰もが簡単に手に入れることができるものではなかったようです。
相馬屋―原稿用紙の老舗としてのブランド
相馬屋製原稿用紙は、夏目漱石や石川啄木などの文豪たちが使用したことで広く知られ、長い歴史を誇る伝統の一品として親しまれています。
相馬屋源四郎商店(そうまやげんしろうしょうてん)は、東京都新宿区神楽坂に位置する老舗の文房具店で、原稿用紙発祥の地として有名です。
創業は1659年(万治2年)で、初代の「紙漉き源四郎」によって神楽坂五丁目で紙漉きを始めました。その後、紙問屋を経て、現在の文房具店の形態へと発展しました。
明治中期、和半紙だった原稿用紙を、尾崎紅葉の助言を受けて洋紙に切り替え、「相馬屋製」として販売を開始しました。この新たな原稿用紙は、夏目漱石、北原白秋、石川啄木、坪内逍遥など、多くの文豪たちに愛用され、文房具業界における名品としてその名を広めました。
相馬屋源四郎商店の所在地
住所:東京都新宿区神楽坂5-5
最寄り駅:
・都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅 A3出口から徒歩約2分
・東京メトロ東西線「神楽坂」駅 神楽坂口から徒歩約3分
・JR「飯田橋」駅 西口から徒歩約7分
営業時間:9:00~19:00(定休日:日曜・祝日)
相馬屋源四郎商店は、長い歴史と伝統を誇る文房具店です。1659年(万治2年)に創業し、2024年で創業から365年が経過しました。現在も多くの人々に愛され、神楽坂に根ざした老舗として営業を続けています。
相馬屋の永遠の365年の魅力—文房具の聖地
相馬屋は、単なる文房具店にとどまらず、歴史と現代文化をつなぐ特別な場所となっています。
まとめ
相馬屋源四郎商店は、1659年創業の老舗文房具店で、原稿用紙発祥の地として名高い存在です。夏目漱石などの文豪にも愛用された文房具は、現在も多くの人々に支持され、神楽坂の歴史と文化を体感できる特別な場所となっています。
訪問を通じて、伝統や品格を感じるとともに、文房具が時代や人々の思いをつなぐ重要な存在であることを深く実感しました。
神楽坂の風情ある街並みとともに、日本の文房具文化を堪能できる素晴らしい散策をお楽しみください。
参考:相馬屋源四郎商店
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