日本でお葬式に参列する機会があるかもしれません。初めての方にとっては、服装の選び方や香典の準備、挨拶の仕方など、戸惑うことが多いでしょう。
本記事では、日本のお葬式における基本的なマナーを解説します。事前に知識を得ることで不安を軽減し、安心して参列できます。
ここでは、服装や香典、焼香の作法、挨拶など、具体的なマナーについて詳しくご紹介します。
日本のお葬式に参加する際の基本マナー:服装、香典、焼香の作法、挨拶
①服装のマナー
1.喪服の基本
・黒を基調: 派手な色や装飾を避け、全体的に落ち着いた印象の黒い服を着用します。
2.男性の服装
・スーツ: 黒のスーツに白いシャツを合わせます。
・ネクタイ: 黒いネクタイを着用します。
・靴・小物: 黒い革靴を履き、派手な小物は避けます。
3.女性の服装
・ドレスまたは喪服: 黒のドレスや喪服を着用します。肩や膝が隠れるデザインが基本です。
・アクセサリー: 真珠のネックレスは可。ただし、二連のネックレスは「不幸が重なる」とされるため避けます。
・靴: 黒のパンプスが適切です。ヒールは低めのものが好ましいです。
4.共通の注意点
・明るい色や派手な柄の衣服は避けましょう。
・シンプルで控えめな服装を心がけることが大切です。
②香典に関する基本的なマナー
- 香典とは
香典は、亡くなった方に供える金銭のことです。遺族への弔意を示すために渡します。
- 香典袋の選び方
・仏式の場合: 黒・白や銀・白の水引が付いた袋を使用します。金額が5000円以下の場合は印刷の水引、1万円以上は実際の水引がついたものを選びます。
・キリスト教式の場合: 十字架や百合が印刷された袋、または白の熨斗袋を準備します。仏式用は避けましょう。
- 金額のマナー
・金額は奇数(例: 3000円、5000円など)にするのが基本です。偶数や「9」は避けましょう。「9」は「苦」を連想させるため不適切です。
・一般的な相場は以下の通りです:
・親・配偶者の親: 5万円~10万円
・兄弟姉妹: 3万円~5万円
・友人・知人: 3000円~1万円
・近所の方: 3000円~5000円
- お札の準備
・新札は避け、使用済みのお札に軽く折り目をつけて準備します。新札は「不幸を予期していた」と受け取られることがあるためです。
- 渡し方
・袱紗(ふくさ)に包む: 香典袋は袱紗で包んで持参します。
・受付で渡す: 記帳後、香典袋を袱紗から取り出し、相手に正しい向きで渡します。「この度はご愁傷様です」「心からお悔やみ申し上げます」など、一言添えるのが礼儀です。
・香典は一度だけ: 通夜と葬儀で分けて渡すのは失礼とされます。
- 当日渡せない場合
・郵送または後日弔問して渡すのも適切です。その際もマナーを守り、遺族への配慮を忘れないようにしましょう。
③焼香の作法とマナー
- 焼香とは
焼香は、故人や仏に香を焚いて拝む儀式です。宗派により回数や作法が異なりますが、主な目的は以下の通りです:
自身の浄化: 焼香の香りで汚れを払い、身体を清める。
弔意の表現: 故人への祈りと弔いの心を込める。
仏への敬意: 仏と故人に香を捧げる。
- 作法: 立礼焼香
立礼焼香は、椅子席のある葬儀会場で行われる形式です。以下が手順です:
・一礼: 焼香台の手前で、まず遺族・僧侶に一礼。
・合掌と一礼: 遺影に向かい合掌し、一礼します。
・焼香台の前へ: 焼香台の前に進みます。
・香を取る: 右手の親指、人差し指、中指で香をつまみ、額の高さまで持ち上げます。
・香を落とす: 指をこすりながら、香を香炉へ落とします。
・合掌と祈り: 再度遺影に向かって合掌し、祈ります。
・退場時の一礼: 遺影に背を向けず、数歩後ろに下がってから、再度遺族・僧侶に一礼します。
- 回数の注意点
焼香の回数は宗派によって異なるため、僧侶や会場の指示に従うのが良いでしょう。一般的には1~3回が多いです。
④挨拶
・遺族や関係者に、「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りします」、
・「このたびはご愁傷さまでございます」と故人への敬意を表す言葉を使います。
・遺族から「お越しいただきありがとうございます」と言われたら、「とんでもございません」などと返します。
静粛さ
式の間は静かに振る舞い、携帯電話は必ず電源を切るかマナーモードに設定します。
お焼香の際は、順番を守り、正しい方法で行います。またこれらは基本的なマナーですが、家族や地域、宗教によって異なる場合があるので、不明な点は事前に確認すると良いでしょう。
まとめ
日本のお葬式に参加する際は、これらのマナーを守ることで、故人に対する敬意と遺族への配慮を示すことができます。不安を感じる方も多いかもしれませんが、これらの基本を押さえておくことで、心から故人を偲ぶ時間を過ごすことができるでしょう。
参考資料:koekisha、Site Guide等
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