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2024年の『今年の漢字』として選ばれた『金』と、その選定理由

2024.12.30

2024年の「今年の漢字」は「金」に決まりました。この発表は、12月12日に京都市の清水寺で行われ、住職の森清範（もりせいはん）氏が舞台で揮毫する形で発表されました。「金」が1位に選ばれたのは今回で5回目となります。

2024年を象徴する漢字トップ10—選ばれた理由と社会の影響

2024年「今年の漢字」上位10字

金（キン・コン / かね・かな・こがね） 12148票
災（サイ / わざわい） 9772票
翔（ショウ / かける・とぶ） 7487票
震（シン / ふるう・ふるえる） 7427票
新（シン / あたらしい・あらた・にい・さら） 6545票
選（セン / えらぶ・える・よる・すぐる） 6071票
変（ヘン / かわる・かえる） 6027票
暑（ショ / あつい） 5674票
楽（ガク・ラク / たのしい・かなでる） 4562票
米（ベイ・マイ・メ / こめ・よね・メートル） 4335票

2024年の「今年の漢字」で1位に選ばれたのは「金」でした。応募総数22万1971票の中で最多の1万2148票を集め、その選出理由として、「光」と「影」の両面が挙げられています。

金　【読み】キン・コン／かね・かな・こがね

【意味】
① 金属。鉄や銅などの鉱物の総称。
② 黄金。こがね。おうごん。
③ 立派なさま。美しいもの。
④ お金。通貨や貨幣。
⑤ 五行の一つ。
⑥ 七曜の一つ。金曜日を指す。
⑦ 将棋の駒「金将」の略称。

出典：（公財）日本漢字能力検定協会発行『漢検漢字辞典第二版』・Webサイト「漢字ペディア®」

“光”の『金（キン）』と“影”の『金（かね）』に着目された年

【“光”の『金（キン）』の主な理由】

・パリオリンピック・パラリンピックで数多くの金メダルを獲得し、日本中が沸いた。

・大谷翔平選手が50-50を達成し、3回目のMVPを獲得するなど輝かしい活躍を見せた。

・佐渡金山が日本で26件目の世界遺産に登録されたほか、20年ぶりに新紙幣が発行されたことも話題となった。

【“影”の『金（かね）』の主な理由】

・政治とカネの問題、裏金疑惑などが政局を揺るがし、衆議院議員選挙では与党が過半数割れとなった。

・全国で闇バイトによる金目当ての強盗事件が多発し、多くの国民に不安を与えた。

・止まらない物価高騰が家計を圧迫した。

今年は、日本人選手のオリンピック・パラリンピックでの活躍や大谷翔平選手の功績といった“光”の『金（キン）』に加え、政治の裏金問題や闇バイトによる強盗事件、さらには止まらない物価高騰といった“影”の『金（かね）』が注目されました。これらの要因が重なり、多くの人々が「金」を選んだ結果となりました。

2位は「災」で、9772票を集めました。能登半島地震や航空機の衝突事故など、年初から災害が相次いだことが理由に挙げられています。

3位には「翔」がランクインし、7487票を獲得しました。大谷翔平選手の「50-50」達成や3度目のMVP受賞が多くの人々に勇気を与えたことが理由とされています。

2024年、5度目の「金」選出—世相を象徴する漢字

「金」が「今年の漢字」に選ばれたのは、2000年、2012年、2016年、2021年に続き、今年で5回目となります。

いずれの年もオリンピックが開催されており、スポーツをはじめ、政治・経済、社会問題、文化的な話題がその時々の世相を反映しています。

「今年の漢字」はいつから？

「今年の漢字」は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が1995年から発表を続けています。第1回に選ばれた漢字は「震」で、その年の特徴や出来事を象徴する一字として発表されました。
12月12日は「いい字一字」という語呂合わせから「漢字の日」と定められており、この記念日には「いい字」を少なくとも「一字」覚えてほしいという願いが込められています。

2024年は「今年の漢字®」が30回目の節目を迎えます。この企画は協会が公募し、全国から最も多くの応募が集まった漢字を発表する形式で行われており、長年にわたり多くの関心を集めています。

1995年から2024年までの「今年の漢字」

歴代の「ひと文字」は？

第1回の1995年に選ばれたのは「震」でした。
この年には阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起きました。

20年前の2004年は「災」。
台風や地震、豪雨などの天災やイラクでの人質事件も起きました。

15年前の2009年は「新」でした。
政権が交代し、新内閣が発足。
イチロー選手が大リーグ新記録を達成し、また裁判員制度など新たな制度が始まった年でした。

10年前の2014年は「税」でした。
この年、消費税率が17年ぶりに引き上げられました。

5年前の2019年は「令」。
元号が「平成」から「令和」となりました。

4年前の2020年は「密」。
新型コロナが流行し、感染防止のため「3密」を避けるよう呼びかけられました。

3年前の2021年は「金」。
57年ぶりに日本で開催された東京オリンピック・パラリンピックで日本選手が多くの金メダルを獲得しました。

そして、おととし2022年は「戦」。
現在も続くロシアによるウクライナ侵攻が始まった年でした。

去年2023年は「税」。
2014年に選ばれて以来2回目でした。
1年を通して増税の議論が行われたほか、インボイス制度の導入などさまざまな制度改正や検討が行われました。

まとめ

「今年の漢字」は、毎年全国的な世相を反映する一字として選ばれ、日本漢字能力検定協会が主催するイベントです。1995年から始まり、社会的な出来事や流行を象徴する漢字が毎年発表されています。これまでに「金」や「災」、「絆」など、時代を反映した漢字が選ばれてきました。特に「金」は、2024年で5回目の選出となり、パリオリンピックでの金メダルラッシュや大谷翔平選手の活躍などが背景にあります。しかし、一方で政治の裏金問題や物価高騰などの影響もあり、「金（キン）」と「金（かね）」の二面性が感じられる年でした。

また、「今年の漢字」は全国的な社会的な出来事を反映するだけでなく、個人の一年を振り返る際に、自身の経験や感情を表す漢字を考えることも興味深いかもしれません。自分にとっての「今年の漢字」を選ぶことで、その年の思い出や感情をより深く振り返ることができ、個々の経験が浮き彫りになることが期待できます。あなたにとって、今年の漢字は何でしょうか？

参考：公益財団法人日本漢字能力検定協会

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