2月25日(火)、政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業に対して時差出勤やテレワークの推進を強く呼びかけました。2月18日(火)に開会した東京都議会では小池東京都知事も企業に実施の呼びかけをしています。すでに実施している企業も多いですが、ますます実施する企業は増えていくでしょう。そこで今回は、各企業の取り組みについてご紹介します。
一足先に動いたGMOインターネットグループ
国内でもいち早く在宅勤務へ移行したのがGMOインターネットグループです。同社は1月26日(日)に発表し、当初は2週間の在宅勤務を予定していましたが、感染拡大に伴い2月10日(月)から長期化に移行することに。具体的には在宅勤務体制は継続ですが、やむを得ず業務上出社が必要な従業員には身を守るための感染予防グッズを配布し、出社時・在社時の予防策の徹底することを決定しました。同社の新型コロナウイルス対策の詳細は下記の通りです。
■やむを得ず出社を認めるパートナー
(前提)
本人の体調・健康状態が良好であること。なお、糖尿病などの持病を
持っていたり、妊娠していたり十分な健康配慮が必要なパートナー、および
同居するご家族に同様の方がいる場合は、健康状態を問わず対象外とします。
(1)法令対応やお客様対応など、業務内容により出社が必要な場合
(2)在宅での業務の遂行が困難な場合、所属するグループ企業・組織の
判断で出社を許可
■出社時の感染予防対策
(1)通勤時における感染リスクの回避
・時差通勤 ・時差通勤と在宅勤務の組み合わせ
・シェアオフィスの利用 ・土日の出社による混雑回避
・混雑回避ルートの選択 ・自転車通勤 ・直行 ・直帰
・徒歩出勤(移動時間を勤務時間に含める)
・タクシーの利用(法人契約、相乗り推奨) など
(2)会社が指定する防護マスク「N95」を着用
■在社時の感染予防対策
(1)手洗い、うがい、マスク着用の正しい手法、ウイルスを避ける方法の指導
(2)執務スペースの入室前に、手洗い・うがい・検温の「入室前チェック」を
行う(適所への消毒液・うがい薬の設置)
(3)パートナーがあつまる場所(例:GMO Yours)への浮遊ウイルスの除去も
可能な殺菌効果のある加湿・空気清浄機の設置
(4)来客時の検温体制(サーモグラフィー)
(5)エレベーター等の消毒による接触感染対策
(6)ハンドドライヤーの利用禁止とペーパータオルの設置
同社はこれだけでなく、採用活動においても配慮した取り組みを開始。2021年卒の新卒および中途採用における選考会を2020年2月25日(火)よりオンラインで実施すると発表しました。全国の学生および中途採用の応募者が、多くの人が集まる会場に行かずに安心して選考に参加できることを第一に決断。応募者を新型コロナウイルスの感染から守るとともに、採用における機会損失を防ぐことを目的としています。詳細は下記になります。
■新卒採用(2021年卒対象)
2019年度から実施している「オンライン説明会」に加え、今回新たに「Live説明会」
を開催(※1)するほか、選考過程における面接をオンラインで行います。(※2)
・「オンライン説明会」・・・24時間いつでもオンラインで閲覧できるビデオ形式の説明会
・「Live説明会」・・・自宅からオンラインで参加できるリアルタイムの説明会
■中途採用の選考会
従来、対面で行っていた1次面接からの選考をオンライン化します。
最終面接のみ、会社の理解を深めるとともに入社後に働く仲間と
お会いいただく機会を設けるためご来社いただきます。
(※1)学生は、いつでも視聴が可能な「オンライン説明会」もしくは、働くパートナーにリアルタイムで質疑応答ができる「Live説明会」のいずれかに参加することで選考会にエントリーできます。
(※2)職種により選考ステップは異なりますが、会社の雰囲気や働く環境をご覧いただくために、選考過程において、うち1回はご来社いただく必要がございます。
大規模な就活イベントも中止が決定
同社のように説明会を中止してウェブ形式を採用したのが三菱UFJ銀行です。企業説明会が相次いでいるなか、合同企業説明会の中止も発表されています。その一つが就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアです。
同社によると、3月末までの実施予定だった全ての合同企業説明会を中止すると発表しました。2月22日(土)~29日(土)に予定されていた就職関連のイベント10件、3月に全国44都道府県で予定されていた合同企業説明会など81件が中止に。東京ビッグサイトで開催予定だった最大級の合同企業説明会「就活開幕★LIVE」も中止が決定しました。これらは計91件のイベントには学生3万~5万人、企業のべ約5,000社が参加する予定でした。
就職情報大手「マイナビ」も合同説明会等の中止を検討中とのことです。同社は3月に、一度に2万~3万人の参加が見込まれる国内最大規模の説明会をはじめ、全国で計194件を計画しています。
このような状況は就活生にとってはただただ不安や焦りを感じてしまうものですが、今は就職よりも自身の健康が優先されるとき。それは仕事を探している在留外国人も同様です。働きたい気持ちはわかりますが、ここで感染してしまったら元も子もありません。一番大切なのは自分の体です。人が多く集まる場所へは行かずに、手洗い・うがいを徹底して身を守りましょう。
企業の新型コロナウイルス対策の動きはさらに広がりそうです。さらなる被害が出ないよう、私たち自身もできることはして自分の身を守り、感染拡大を守りましょう。