【日本防衛大学校チョモランマ登山隊の通訳者にインタビュー】董紅俊氏が過酷な登山体験を綴った一冊の本を出版!

董氏は大学3年生の時、日本の防衛大学校チョモランマ登山隊の通訳として、世界最高峰に登りました。チベット高原滞在中の4カ月弱の間、登攀隊長の遭難などいろいろなことを経験しました。自身の人生に大きな影響を与えたこれらの経験や、日中関係の感想などをまとめたのが、今回出版した書籍です。

これを記念して、今回董氏には出版に至るまでのお話を伺いました。少しでも読者の皆様が好奇心を満たしていただけるのあれば幸いです。どうぞご覧ください。

董紅俊(トウ コウシュン)プロフィール

◼プロフィール
董紅俊 (トウ コウシュン)
・中国山西省生まれ。
・1988年北京第二外国語大学日本語学科卒業。同日本語学科助教を経て、1988年10月来日。
・名古屋大学大学院日本言語文化博士課程で研究生活を送り、名古屋大学、南山大学などで中国語講師を務める。
・編著書は『China Today』『中国の窓』、『諺から学ぶ日本語と中国語』など多数。
・中部日本華僑華人健行登山協会会長、中部日本華僑華人連合会副会長などを務める。

チベット高原滞在中に起こったさまざまな経験を執筆

編集部:董先生、この度は本の出版おめでとうございます。いつ出版されたのでしょうか?

董氏: ありがとうございます。実は、すでに今年の7月に世界華人週刊出版影視集団より出版されました。

編集部:本を出版しようと思ったきっかけは何ですか?

董氏: 1987年、私がまだ大学3年生の時、あるビッグな仕事が天から降ってくるかの如く舞い込んできました。それは、日本の防衛大学校チョモランマ登山隊の通訳として世界最高峰に向かうことでした。チベット高原滞在中の4カ月弱の間には登攀隊長の遭難など、いろいろな出来事を経験しました。この経験は私自身の人生に大きな影響を与えたのはもちろんですが、山あり谷ありの日中関係は多くの人の参考になると考え、執筆を決意をしました。

大自然から教えてもらったのは謙虚、調和と共存

編集部:本を執筆するにあたり、もっとも力を注いだ部分はどこですか?

董氏:当時の日中関係についてです。今日の日中関係では、日本の自衛官からなる登山隊がチベットの奥地まで行くのは不可能だと思います。しかし、1980年代はそれが可能でした。なぜ実現できたのかを伝えるため、当時の時代背景を記す資料の調査に注力しました。

編集部:この本を通して、一番伝えたいメッセージは何でしょうか?

董氏: 大自然の前で人間は謙虚であるべきだということです。大自然を征服しようとせず、山を征服しようとしないで、むしろ大自然と調和し、共存する気持ちを持つべきだと思います。

編集部:先生はご多忙と思いますが、いつ執筆されているのでしょうか?

董氏: 数年前に、中国語圏のSNSであるWeChatで、少しずつ思い出しながら執筆し始めました。その結果、大きな反響を呼び、多くの友人から出版を求められると同時に励ましの言葉をいただきました。コロナ禍の影響で2年以上中断していましたが、昨年から仕事やボランティア活動の合間を見つけて執筆を続け、ついにこの夏に出版することができました。

ボランティアを精力的に行う理由

編集部:先生は中国と日本の友好のため、多くのボランティア活動などを行っていらっしゃいますね。どのような活動をされているのか知りたいです。また、この本の出版にも関連性があるでしょうか?

董氏: ボランティアではたくさんの活動を行っており、全てを挙げることは難しいですが、例を挙げると、雲南省の山間部に住む子供たちの就学支援活動がその一つです。仲間たちと長年にわたって行ってきました。この活動の結果、現地で小学校を25校建設することができました。

また、中部日本華僑華人健行登山協会を設立し、毎月仲間たちとウォーキングや山登りを楽しんでいます。その他にも、様々なイベントの企画や司会を担当し、漫才のパフォーマンスも行っています。

さらに、名古屋中国春節祭の演出部長として活動し、プログラムの編成などに取り組んでいます。来年1月5日から8日までに第18回の開催が予定されており、その準備に向けて仲間たちと一丸となって取り組んでいます。

このような友好関係を築く活動は、本の出版とも関連があり、日中関係に貢献していると考えています。

編集部:読者に何かアドバイスやメッセージをお願いいたします。

董氏: 山登りや海のレジャーが好きな方が多いと思いますが、くれぐれも謙虚な気持ちを忘れずに、それを持って臨んでください。日本と中国はお互いに引っ越しができない隣国です。2000年にわたる友好交流の歴史があります。ぜひ相手の長所を認め、見習い、ウィンウィンの関係を築きましょう。

董紅俊氏のインタビューを終えて

先生貴重なお話をいただきありがとうございました。

董氏の豊かな経験から学ぶことが多かったです。

日中関係において、友好と理解の重要性を改めて感じました。 董氏の人生と日中関係に対する熱い思いは読者の皆さんにも伝わっているでしょう。

これからも董氏の活動と著作に期待しています。

■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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