9月3日から救急医療週間が始まりました。
これは政府が指定するものですが、あまり知らない人も多いでしょう。そこで今回は、救急医療週間についてご紹介します。
「救急の日」「救急医療週間」とは?
最初に「救急の日」が制定されたのは昭和57年。それ以来、毎年9月9日は「救急の日」とされており、この日を含む一週間(今年は9月3日(日曜日)から9月9日(土曜日)まで)を「救急医療週間」としています。
「救急の日」及び「救急医療週間」の要綱について
「救急の日」「救急医療週間」の目的などについて述べられているの実施要綱です。実施要項は以下のとおりです。
1 目的 救急医療及び救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めるとともに、救急医療 関係者の意識の高揚を図ることを目的として、「救急の日」及び「救急医療週間」を設けるものとする。
2 期間 「救急の日」の9月9日を含む一週間(令和5年9月3日(日)から9月9日(土)まで) を「救急医療週間」とする。(ただし、実施期間については、地域の実情に応じて変更できるものとする。)
3 主催 厚生労働省、消防庁、都道府県、市町村、公益社団法人日本医師会、一般社団法人日本救急医学会及び全国消防長会
4 協賛 救急医療関係諸機関
5 実施方針 厚生労働省、消防庁、都道府県、市町村、公益社団法人日本医師会(都道府県医師会、 郡市区医師会)、一般社団法人日本救急医学会及び全国消防長会、その他関係機関の緊密な協力により、「救急の日」及び「救急医療週間」の趣旨にふさわしい内容の行事を 地域の実情に応じて実施するものとする。
救急車はどんな状況になったら呼ぶべき?
以下の症状が現れた場合、迷わずに119番に通報してください!
• 呼吸困難
• 言葉がうまく出ない、手足が麻痺して動かせない
• 意識がない
• 骨折によって歩けない
• 激しい胸痛、腹痛、頭痛
• 大量の出血
• 広範囲のやけど
病院か?救急車か?迷ったら「#7119」東京消防庁救急相談センターへ
急な病気やけがで「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」など、迷った際の相談窓口として、「#7119」東京消防庁救急相談センターが24時間・年中無休で対応しています。
相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者の職員など)が相談を受けることができます。
救急の際には周りの協力が必要
救急の際には周りの協力が必要です。
救急車を要請してから現場到着までの所要時間は全国平均で約8.7分(令和2年の調査による)となっています。しかし、交通渋滞や積雪などの要因により、到着が遅れることも予想されます。心肺停止の状態では、早急な処置が命を救う鍵です。もしもの際には、早期発見と119番への通報、そして基本的な救命処置を行うのが良いでしょう。
救急車を呼ぶ際の注意点
救急車を要請すべきかどうか迷ったり、症状は軽いと思うけどどうすべきか迷ったりする場合は、どうすれば良いのでしょうか。
救急車の利用者のうち、約6割近くが入院の必要のない軽症の患者とされています。
119番に通報する前に、救急車が本当に必要なのか、自家用車やタクシーなどの一般的な交通手段を利用できるか、もう一度検討してください。
救急車は緊急性・重症度の高い傷病者へ必要に応じて処置を実施し、病院へ搬送するために必要で、台数も限られております。
救える命を救うためにも、救急車の適正利用が欠かせません。
「救急の日」「救急医療週間」の過ごし方
この特別な期間を有効に活用し、基本的な知識を身につけましょう。
各種イベントに参加して、救急医療についての理解を深めることが役立つでしょう。
この知識と経験を蓄えておくことは、緊急の状況に直面した際に役立つことがあります。
救急医療に関する情報を得るために、近くの消防署に問い合わせし、参加してみることもおすすめです。
地域の救急サービスについての理解を深め、自分や周囲の安全を守るための準備をする良い機会となります。
【豆知識】
1. 救急車が1回出動するのに必要な費用はいくらですか?
救急車が1回出動するのに必要な費用は、諸経費込みで約4万5,000円です。しかし、日本では119番に電話をかけるだけで、国籍や人種、納税の有無に関わらず無料で利用できます。
2. ドクターヘリにかかる費用はいくらですか?
ドクターヘリの搬送には特別な費用はかかりません。ただし、救急現場で受けた治療行為に対しては、一般の病院で受ける場合と同様に、医療保険の範囲内で医療費(初診料、往診料、処置料など)がかかることがあります。
「救急の日」や「救急医療週間」を活用することで、救急医療についての基本知識を身につけましょう。救急情報も知っておくと、緊急の場面で役立つかもしれません。安全な生活のために、正しい知識を持つことは非常に重要です。
【参考資料】