毎年「障害者週間」は、12月3日から12月9日までの1週間。
私達の身近には障がい者が少なくありません。人間の尊厳を守り、お互い共に生きる社会を作っていくことは社会の基本であります。そのためには障がい者への偏見や、障がい者に対して無意識につくる壁をなくすにいち早く気づき、障壁を減らすことが大事です。
今回の記事では、障がい者に対する理解を深めるきっかけとなるような、障がい者に関わることを解説していきます。
いつから障害者週間は始まったの?
【障害者週間の趣旨】
まず、知っておきたいのが障害者施策の基本的方向を定める「障害者基本計画」(平成14年12月24日閣議決定)です。同計画では、国が目指すべき社会として国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」を掲げています。
障害者週間は、平成16年6月の「障害者基本法」の改正により、国民の間に広く障害者の福祉についての関心・理解を深めるとともに、障害者が社会・経済・文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、従来の「障害者の日」(12月9日)に代わるものとして設定されました。
「障害者基本法」とは?
「障害者基本法」では「障害者基本法」について下記のように定めています。
・第9条 国民の間に広く基本原則に関する関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するため、障害者週間を設ける。
・障害者週間は、12月3日から12月9日までの1週間とする。
・国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等に関する活動を行う民間の団体等と相互に緊密な連携協力を図りながら、障害者週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。
知ってる?障がいを表すシンボルマーク
私たちの暮らしの中にあるのが、障がいを表すシンボルマーク。以下、障がい者に関係するマークの一例です。
1【障害者のための国際シンボルマーク】
障がい者が利用できる建物・施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークです。
2【盲人のための国際シンボルマーク】
世界盲人連合で1984年に制定された盲人のための世界共通のマークです。
3【身体障害者標識(身体障害者マーク)】
危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。
4【聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)】
危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。
5【ほじょ犬マーク】
「身体障害者補助犬法」啓発のためのマークです。
6【耳マーク】
「ヒアリングループマーク」は、補聴器や人工内耳に内蔵されているTコイルを使って利用できる施設・機器であることを表示するマークです。
7【オストメイト用設備/オストメイト】
「オストメイト」とは、がんなどで人工肛門・人工膀胱を造設している排泄機能に障害のある人のことをいいます。
8【ハート・プラス マーク】
「身体内部に障がいがある人」を表しています。身体内部(心臓、呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障がいがある方は外見からは分かりにくいため、様々な誤解を受けることがあります。
9【白杖SOSシグナル 普及啓発シンボルマーク】
(社会福祉法人日本視覚障害者団体連合推奨マーク)
駅のホームや路上などで、視覚に障がいのある人が危険に遭遇しそうな場合は、白杖によりSOSのシグナルを示していなくても、声をかけてサポートしましょう。
10【ヘルプマーク】
ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車・バス内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をしましょう。
11【手話マーク】
耳が聞こえない人等がこのマークを提示した場合は「手話で対応をお願いします」の意味、窓口等が掲示している場合は「手話で対応します」等の意味になります。
12【筆談マーク】
耳が聞こえない人等がこのマークを提示した場合は「筆談で対応をお願いします」の意味、窓口等が掲示している場合は「筆談で対応します」等の意味になります。
まとめ
シンボルマークを見たことある人も多いと思います。しかし、忙しい現代人は、これというきっかけがないと知る必要があるこ事柄も見逃してしまいます。今回ご紹介した障がい者週間を機に、障がい者をに対する理解を深め、自分にはどんな支援ができるのかなどを考えてほしいなと思います。
是非一人ひとりがそれぞれもっている力を発揮して、共生社会の実現に貢献できるよう取り組んでいきましょう。
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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