いま世界中が、新型コロナウイルス特にオミクロン株に追われています。北京冬季オリンピックは、このように困難な状況下にいながら、2月4日から20日まで、パラリンピックは3月4日から13日までの日程で、スタートをしました。
この記事では、オミクロン株に有効な治療があるか?北京五輪はどうなのか?をあわせて、中国のコロナ事情についてご紹介します。
中国のコロナ事情はどうなの
中国は、コロナが発生してから、徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策をとっていて、大きな成果を収めています。感染拡大の阻止に向け常に警戒を強めています。
それでは、最近中国国内の新型コロナウイルスの感染状況を最近2月9日一日の状況を例にしてみましょう。2月9日の0時から24:00まで、31の省(自治区と直轄市も含む)と新疆生産建設兵団からは、29件が新たに確認されました。
内22件は、国外からのもちこみ感染で、(詳細は、広東9件、上海8件、吉林2件、浙江1件、福建1件、広西1件)です。感染者が確認された症例のなかで(広東1件と広西1件)は、無症状感染から感染症に変化となりました。7件は、国内発症例で、すべて広西百色市で発症されたものでした。新たな死亡者はなく、感染が疑わしいものが1件追加されていますが、上海発症で、海外から持ち込み感染によるものでした。
同日、新たに治癒・退院した症例は96件、医学的観察から解放された密接接触者は3263件、重症者は前日と同じでした。
【参考資料】国家衛星健康委員会ホームページ
中医薬治療とは?
日本で言う「漢方薬」とは、多くは江戸時代に中国から日本に入り、日本の中で独自に育ってきたものです。現在は約758種類の薬草が用いられています。
「中医薬(ちゅういやく)」とは、約2700年余り前から古代中国の伝統医学に扱われている薬の総称です。中医薬の方が歴史も長く、使用する成分の数も圧倒的に多いです。
現在の中医薬原料といいますと植物類が約11,146種類、動物類が約1,581種類、鉱物類が約80種類あります。
またさまざまな新しい製造方法(例:薬効成分の分子抽出など)を採用し、昔ながらの伝統製造法と比較して効力は飛躍的にアップいたしております。
西洋医学では、未だ解明されていない難病を、化学成分ではなく”自然の物で作られた中医薬”で治療する研究が、20世紀後半以降飛躍的進歩を遂げました。
日本で、中医薬治療は保険適用にならないため、全額自費負担となります。中医薬が保険薬として認められるには膨大な時間と経費がかかります。
【参考資料】爽治会HP
オミクロン株に中医薬治療が有効な理由とは
人民網の報道によると、1月11日に開かれた第165回天津市新型コロナウイルス感染予防・抑制に関する記者会見で、中国工程院院士、天津中医薬大学名誉学長の張伯礼氏がオミクロン株感染による新型コロナウイルス感染症の中医薬治療についてすでに説明しました。
張氏は、「我々は初めてオミクロン株感染による新型コロナウイルス感染症を経験している。オミクロン株は潜在性がより高く、感染力がより強い。潜在性がより高いため、患者の症状は相対的に軽く、症状が出ない人もいる。そのため、検体検査や濃厚接触者のスクリーニングの段階にならないと感染者を確認できなかった。感染力の強さについて言うと、すでに1人から十数人に感染したケースが確認されており、しかも感染が広まるスピードも速かった。しかし、オミクロン株の感染例では症状が比較的軽く、無症状の人がおよそ3割を占め、症状が軽い人がおよそ半数となっている。また、およそ2割が中等症で、重症は比較的少ない」としました。
そして張氏は、「これまでの治療経験を踏まえると、中医薬治療はオミクロン株による感染症の治療においてより大きな役割を果たすと考えられる。現在すでに比較的良い効果をあげており、患者が陰性に転じるまでの期間も比較的短く、再び陽性となる率も減っており、軽症から重症に転じる率も比較的低く、これまでの中医薬治療で見られた効果がさらに際立っている」という点を特に強調しました。
北京五輪はどうなの
【北京五輪感染リスク高まらず】
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、北京冬季五輪は、競技のため講じられている対策はとても厳しく強力であります。感染のリスクは高まらないうちに、開催されました。
北京オリンピック大会は、空港や外部の人と接触できないいわゆる「バブル」の中で行いました。また徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策をとっていて、感染拡大の阻止に向けて警戒を強めました。
また、オミクロン株の感染が初めて確認されてから北京では、訪れる人に出発前と到着後のPCR検査を義務づけるなど感染拡大に対策をとりました。
こうした中で、今回の大会では、一般向けのチケットは販売されず、観客は招待したグループに限定されることになりました。
【人の移動などの制限】
中国では、オリンピック開催、新型コロナウイルス対策が強化される中、旧正月の春節に合わせた連休中の人の移動などが制限されることになりました。
中国各地の政府は、今いる場所で春節を迎えるよう呼びかけていて、感染者が出ている都市から来た人に対して14日間の隔離を求める都市もあるほか、北京では、訪れる人に出発前と到着後のPCR検査を義務づけています。このため、春節等大型連休では、省などをまたぐ移動が例年より多く減少されました。
北京冬季五輪に合わせて訪中している国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が、中国国営新華社通信の取材に応じた際に、中国側の新型コロナウイルス対策について「成功を目の当たりにしている」と語ったとおり、いま北京オリンピックは、順調に運営され、世界から称賛されています。最後まで無地に北京冬季オリンピック、パラリンピックが開催され、人類がコロナを勝つ貫く姿を世界に証明することになるでしょう。
【参考資料】
中国医学専門家・張伯礼氏 「中薬はオミクロン株にも有効」(CGTN Japanese) –
Yahoo!ニュース、人民網日本語版、ネット