外国人が日本企業で悩むこととは?(外国人雇用豆知識)

外国人が日本企業で悩むこととは?

外国人が日本で就職した際、さまざまな悩みに直面します。悩みの多くは、マナーや慣習の面に関わるものです。そこで、日本にどれくらいの外国人労働者がいるのか。どのような職種で、どの国の人が悩みに直面するのかを解説します。

言葉よりも、文化の違いに悩む

外国人であれば、言葉の壁に悩むことが多いと推測するでしょう。確かに言葉の壁もありますが、それ以上に日本独特の文化に対し、ギャップを感じるほか理解できない点が多く発生します。一体どのような文化の違いがあるのか、具体例を交えて紹介します。

空気を読む

日本では、空気を読んで作業することが多くあります。例えば、「Aをしてくれ」という指示があり、Aの業務を行ったとします。日本人であれば「おそらくAに関連するBもやっておかないといけないのだろう」と、指示にニュアンスとして含まれている業務も「空気を読んで」行うのです。日本人であれば当たり前のように感じてしまいますが、外国の場合そうではありません。外国だと、「AとBの両方をしてくれ」という指示がなければ、Bの業務は行いません。空気を読んで指示のニュアンスをくみ取るということはせず、支持する側も明確にして欲しい業務を伝えるでしょう。

相手への同意を示す行動をする

日本では、相手へ同意することがコミュニケーションの一つになっています。自分が思っていないことであっても、相手の意見に合わせるという行動が友好的な関係を構築するために重要視されるのです。例えば、相手から何かを言われた際、自分の意見とは異なっていたとしても「そうですね」といった言葉を返します。会話の中では、あいづちを打ち、相手へ同意していることを示します。このように、日本では相手の意見に同意する行動をすることが文化になっているのです。

久々にあった時、『先日は…』と会話が始まる

日本では、前回のお礼を次回でも伝えるという風習があります。たとえば、取引先の人と、取引の後に会った際に「先日はありがとうございました」のように、言葉にして再度感謝の言葉をするのが挨拶の一部になっています。外国では、感謝のタイミングはその場で完結します。そのため、なぜ再度会った時にまた同じ事を伝えるのかと困惑するでしょう。必要ないと感じるやりとりですが、日本では当たり前のように日々行われているのです。

ハッキリと意見を伝えると、気まずくなる

外国では、肩書きなど関係なく、自分の意見をハッキリと伝えディスカッションするのが主流です。しかし、日本の場合はハッキリと物事を伝えるのではなく、立場を考慮したり遠慮したりといった文化があります。自分はAと思っていたとしても、上司がBだと言えば納得する者も多いだでしょう。仮にAを推奨するとしたら、「Bもいいと思います、でもAの場合…」のように、クッションとなる発言を必要とします。外国人からするとあまり理解ができない文化でしょう。

確認作業を重んじる

日本では、責任者にその都度確認をとった上でプロジェクトを進行していきます。完璧主義な面が非常に強く、ミスがないようさまざまな視点から確認することが求められます。外国では、トライアンドエラーを繰り返して成功を目指す、完璧よりもスピードとアクティブさが重要視されます。そのため、外国人は日本の確認文化に困惑することがあります。

時間を守ること

日本では、時間を守ることが当たり前であり、信用へと直結します。例えば、出社時間です。9時が始業開始であれば、10〜15分前には自分のデスクに座り、勤務できる体制を整えるのが当たり前とされます。1分でも遅刻するようであれば、不真面目な印象を与え信用を失ってしまうのです。始業時刻ピッタリに出社したとしても、「遅い」と言われるか、やる気がない・だらしないと思われてしまいます。また、待ち合わせや約束の時間に対しても、余裕を持って到着することが求められます。外国人が自国の感覚で日本人と接した場合、時間感覚の面で困惑するでしょう。

まずはお詫びをする風習

日本では、問題が発生した・何か言われてしまった際に、「まずはお詫び」をする風習があります。たとえ自分が悪くない場合であっても、「申し訳ございません」と枕詞のような感覚でお詫びの言葉を伝えるのです。これは、外国人は理解に苦しむ点です。外国では、自分が悪くないと謝らないというのが主流です。そのため、なぜ謝る必要があるのかといった部分から疑問が生じるものの、やはり「ひとまず謝罪する」ということを仕方なく風習にならって行うというシーンが多発するのです。

経営者が責任を追及される

日本では、何か問題が起これば経営者に対しての社会的責任が深く追求されます。例えば、一般の社員がきっかけで起こったミスがあったとします。それが大沙汰になった時、その社員のトップがクビになるということが多々あります。個人に責任は追及されるのは社内のみで、社会的責任として社外から強く追及されるため、トップが退職して丸く収めようとする文化があります。そのため、社内の方針に対する誠実さや素直さが求められるのです。

残業の多さ

日本は、プライベートよりも仕事を優先する文化が根強く残っています。残業して当たり前とった観念がある他、連続で有給取得をしないといった面があります。自分のタスクが終わっていたとしても、休むことにより「申し訳ない」「評価が下がる」といった心配があり、業務時間が長くなる傾向にあります。外国では、仕事よりもプライベートが優先です。タスクをこなせば帰る、有給は権利といった考えが浸透しています。そのため、日本の仕事優先という慣習にギャップを感じることでしょう。

人前で怒る

ミスをした際、もしくは指摘すべきことが発生した際、日本では他の人がいる前で指導をします。日本であればよく見る光景ですが、外国人からすると「恥をかかされた」と思うことでしょう。また、一方的な意見を言われることが多く、自分の意見を伝えたとしても言い訳として認識されてしまいます。一対一で話すなど、話を聞いてもらえる環境を作る他、冷静に意見を述べるといった対策が必要です。

飲み会が多い

日本では、退勤後のプライベートな時間に設定される飲み会が多くあります。外国の場合、プライベートを優先するという考えが共通しているため、飲み会があったとしても断りやすいでしょう。しかし、日本人は上司に飲み会に誘われると断りづらいと感じてしまう人がほとんどです。楽しんで飲み会に行く人もいますが、付き合いで仕方なくという人も多くいます。

まとめ

外国人が日本企業で働く際に悩みとなる代表的な事について、ご紹介しました。言葉の壁よりも、文化の面で悩むことが多く想定されます。ただ、日本もグローバル化が進み、徐々に外国人労働者に対する観念が変化しています。これから先、外国人でも働きやすい・理解を得ることができる環境が整ってくることでしょう。

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