徐福の遥かなる旅路と謎を解き明かすー伊藤健二氏による「徐福の基礎と現代の徐福言説」の発行のお知らせ

伊藤健二氏の著書『徐福の基礎と現代の徐福言説』が発行されました。

約2200年前、秦の始皇帝の命で不老不死の霊薬を探しに、数千人の童男童女を引き連れて日本にやってきたという伝説の徐福。日中の徐福文献、日本各地の徐福伝説と文化活動、国際交流などの基礎を解説し、加えて現代のオカルト徐福を巡る言説の思想的背景を考察する。

手に取ってみたく宝物のような書籍です。今回は、同書の概要や魅力についてご紹介します。ぜひご一読ください。

著者プロフィール
名前:伊藤健二(いとう・けんじ)
1947年 横浜市生まれ
1971年 上智大学理工学部卒業、神奈川県職員となる
2008年 退職後、中国語教室事務局等日中友好活動を行う
2014年~2020年 神奈川徐福研究会事務局長
2016年~2022年 日本徐福協会事務局長
現在日本徐福協会会員、神奈川県日中友好協会会員
日本、中国、韓国での徐福関係論文発表多数。

徐福とは何者なのか

徐福は史実か、ロマンか。はたまたオカルトか?
司馬遷はなぜ『史記』で徐福を描いたのか? 仙人はなぜ童男童女を求めるのか? 日本全国の徐福伝説はどのようなものか? 徐福伝説が発生した背景は何か? 徐福の学術研究者は何を研究しているのか? 「徐福の会」はどのような活動をしているのか? 徐福一行がユダヤ人だとする背景は何か? 『宮下文書』が正しいとする背景は何か?

徐福伝説、 徐福言説を理解するには、その時代の文化状況を見ることが必要です。『史記』ならば中国の古代、徐福伝説ならば主に近世、徐福ユダヤ論、宮下文書ならば近現代のそれぞれの文化状況を通じて見ると、徐福の姿が浮かび上がります。

『徐福の基礎と現代の徐福言説』 各章のご紹介

第1章『史記』の記述とその後の文献

徐福の歴史資料として使えるのは、司馬遷の『史記』です。『史記』は歴史書として高い評価を受けており、「徐福は平原広沢を得て王となり戻らなかった」の文章から、それは日本ではないかと考えられ、日本の徐福伝説成立に大きな影響を与えました。

しかし、歴史文献の調査は、一部の字句だけを切り抜くのではなく、全体の記述の内容、当時の政治的状況、風習など文化的社会 的背景を見る必要があり、この観点で『史記』及びその後の文献を考察します。

第2章 様々な徐福群像

徐福に関わる人たちは徐福をどう見ているのか。徐福研究は徐福伝承地の郷土史家に支えられているが、それ以外では「本当に徐福が日本に来たの?」と半信半疑ながら日中を結ぶ壮大なロマンに関心を寄せる人がいます。また一部の古代史愛好家は、徐福の来日は歴史的事実だとして、日本の神々や天皇、秦氏などの渡来人と組み合わせて歴史を語っています。一方で、徐福研究で博士号を取得した学術研究もあります。これらの混沌とした徐福群像を整理して紹介します。

第3章 日本各地の徐福文化

日本全国の徐福伝説、行事、祭祀などの「徐福文化」を多くの画像を用い、その地方の文化的背景も考察し、徐福を知らない方でも徐福文化のイメージがわかるような仕立てです。最後に全国の徐福文化とその根拠となる文献を一覧表にして紹介し、徐福に興味がある方の研究に役立つようにしました。

第4章 日本の徐福組織と国際交流

日本各地には徐福を研究、顕彰する徐福会があり、またその全国組織である日本徐福協会があります。中国と韓国にも徐福組織があり、相互にフォーラムを開催するなどの交流を行っています。また徐福は日中友好のシンボルとされており、1978年の鄧小平氏の来日時の徐福に関する発言や、1990年代の文化人の徐福による盛り上がりを通じて、近年の徐福を通じた日中関係の断面を見ていきます。

第5章 徐福伝説の発生要因

徐福伝説が発生した理由はいくつか考えられるが、最大の要因は熊野の修験道だとされています。 徐福伝説が数多く発生したのは江戸時代であり、この時代の各地の具体的な伝説を通じて熊野や近世修験道との関連を考察しました。また修験道以外の要素についても近世の文化史の中で考察しました。

第6章 秦氏と徐福

ネット書籍で「徐福」を検索すると、多くが秦氏やユダヤ人と関連づけられています。これらのオカルト的徐福論は歴史的根拠がなく、通常の徐福研究者は相手にしないものの、ネットでの徐福記事の多くがこの観点なので無視はできず、これらの言説の歴史的、思想的背景を考察しました。また、一部出版物では羽田孜元総理をオカルトのスターに祭り上げています。羽田孜氏が秦氏との関係を語った講演論文全文を掲載し、羽田孜氏がオカルトとは無縁であり、先祖が渡来人の秦氏とされていることから羽田孜氏の国際平和を目指した徐福の活動を紹介します。

第7章「徐福が書いた?宮下文書」の真実

明治時代、山梨県富士吉田市の民家から、徐福が書いたとする『宮下文書(富士古文献)』が発見されました。そこには古代、今の富士吉田市に帝都がありアマテラスなどの天皇家先祖の神々が生活したと考えられています。内容は、中国の秦始皇帝などの歴代皇帝や徐福も日本人の子孫としているが、こ れは江戸時代の国学者、平田篤胤の「中国の三皇五帝は皆日本人」などの言説と、日本書紀などを元ネタとして明治時代に書かれたと推測されています。日本に攻めてきた大陸軍と戦いに勝利するなど、 中国を敵視し、日本の神々と天皇を賛美する「国際的皇国史観」の『宮下文書』がどのような背景で書かれたかを解説します。

本書の特徴 

・基礎的な事項から解説し、徐福を知らない方でも理解できる
・全国の徐福文化一覧表、根拠文献を付し、徐福辞典として使える
・各章によりテーマが異なるが、各章単独でも読める仕立て
・考察は基本的に学術研究者の著作を根拠とし、出典を明記

本の購入方法

著 者: 伊藤健二 (元日本徐福協会事務局長)

発行社: ブイツーソリューション

発行日: 2024年4月10日

定 価: 1,430円(税込み) (A5 168ページ)

割引価格: 1,200円(送料込み。二冊以上でさらに割引きします)

【購入方法】
①電子メールで郵便番号、住所、氏名、冊数を明記し、下記のメールで申し込んでください。
②書籍が届いたら同封案内書の振り込み先に振り込んでください。(振込料金はご負担願います)     【申込先】 伊藤健二 xufuito@jcom.zaq.ne.jp

 

グローバル医職住ラボでは、外国籍の方の日本でのお部屋探しをサポートしています。中国籍や韓国籍などのスタッフにより、中国語と韓国語、英語で対応できますので、下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
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■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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