日本人の健康を支える和食。前回の記事では和食の素晴らしさについてご紹介しました。健康は規則正しく栄養バランスが良い食生活からくるものだと前回の記事でおわかりになったと思います。和食を毎日の食事に取り入れることをおすすめします。
食生活を整え、睡眠の質を高めればさらに日本人は長寿になるかもしれません。
それでは、長寿と睡眠はどのような関係性をもっているのでしょうか? 今回は長寿と睡眠の関係性についてご紹介します。
1日3食! 規則正しい食生活リズムが睡眠の質を高める
1日3食、規則正しく食べることは生活リズムを整えることにつながり、睡眠の質が高まります。可能であれば毎日食事を取る時間を固定することで、身体が食生活の生活リズムを記録し、結果としてより良い睡眠に繋がります。
―生活リズムを整えるには朝食が大事】
食事の内容と共に大事なのが食生活のリズム。まず朝に朝食をとることが大事です。
朝食を取ることで、就寝中に下がった体温を上げ、脳を活性化し、消化器官の働きも活発になります。
中国では朝食をしっかり食べる環境がありますが、日本で仕事をすると朝食を抜いてしまったり、周りに朝食屋さんがないのでコンビニ等で簡単に済ませてしまったりしている方も多いのではないでしょうか?
長寿と睡眠関係性
睡眠が健康に及ぼす影響は大きいと同時に、なんと死亡率とも関係しています
―規則正しい睡眠習慣は疲労を回復・体内時計が整える
良い睡眠は心身の疲労を回復し、規則的な睡眠リズムをつくる働きがあります。規則正しい睡眠習慣を送ると体内時計が整い、睡眠に備えてホルモンの分泌や体内の生理的な活動の調節が正しく行われます。
―睡眠と生活リズム
規則正しい食生活をとること、日中活動的に過ごすこと、適度な運動習慣を持つことと入眠しやすくなります。しっかり寝られれば朝もスムーズに起きられます。そして日中は活動的動けます。質の高い睡眠はメリハリのある生活をに欠かせないのです。
入眠・起床時間のずれが起こると睡眠不足になるばかりでなく、日中の活動や食事の時間にも影響し、良い睡眠も健康的な生活も得られにくくなります。
―良い睡眠は生活習慣病を予防する
十分な睡眠時間が確保し、質の高い快適な睡眠が得られることではじめて良い睡眠と言えます。
良い睡眠は身体も心も健康に導くため、生活習慣病予防となります。睡眠不足や睡眠の質の低下は、生活習慣病のリスクとなります。
睡眠不足のリスクとは?
健康な状態を保つためには1日6~8時間の睡眠が良いと言われています。総務省によれば、日本では5人に1人が睡眠に不安を抱えており、長期にわたる睡眠不足は健康に重大な影響を及ぼす可能性があると発表しています。
毎晩十分な睡眠が取れないと、疲れが残って翌日一日を切り抜けることが困難になるでしょう。そのような状況が続くと様々な悪影響を引き起こし、生命を脅かす可能性もある慢性的症状として現れる可能性もあります。
睡眠不足によって引き起こされる症状は下記のとおりです。
①ストレス増大
ストレスは、心身に大きな負担をもたらします。プレッシャーを抱えると、コルチゾールなどのストレスホルモンが放出され、病気や高血圧、さらには制御不能な体重増加に陥りやすくなります。
②免疫システムの弱化
十分な睡眠が取れないと、一晩のうちに免疫システムが生産できる抗体やサイトカインの量が制限され、感染症を撃退するための身体能力も低下。こうなると、より感染症にかかるリスクが増大します。
③体重増加
睡眠は体の消化器系や新陳代謝、つまり私たちが食べたり飲んだりしたものを利用可能なエネルギーに変換するのに必要なプロセスです。しかし、睡眠不足になるとこれが正常に行われません。
新陳代謝が最適な状態だと、体は昼も夜もカロリーを燃やし、適正な体重維持を助けます。睡眠不足はこのプロセスを妨げるのです。睡眠不足が肥満のリスク要因であると考えられるのは、これが理由です。
④認知機能の障害
睡眠不足は目の前の課題に集中するのを難しくし、物事を思い出したり新しい情報を覚えておいたりすることも困難になります。
その結果、職場で人為的ミスの発生源となる可能性大。仕事にも悪影響を及ぼします。
⑤気分の変動
多くの人は、寝不足のときに怒りっぽくなるでしょう。疲れていると不機嫌になり、イライラしたり過敏になったりします。
長期的な睡眠不足は、うつ病の一因になり得るのです。
⑥血圧の上昇
血圧が高いと、血液が動脈の血管壁を押す力が強くなりすぎます。これは心臓発作や脳卒中を引き起こす大きなリスクとなります。
睡眠不足は、特にストレスや不安が加わったときに血圧上昇を可能性があるため、しっかりとした睡眠は循環器の健康を保つのに不可欠なのです。
⑦事故増加のリスク
睡眠が少なすぎてエネルギー不足になっていると、反射神経が鈍くなり、体調が崩れて集中できません。その状態で車を運転するのは危険! 事故を引き起こしてしまうかもしれません。
⑧慢性疾患のリスクの増大
夜眠っている間、体は心臓などの重要な臓器を修復し、体温や糖代謝などすべてを整えているホルモンのバランスを調整し、免疫システムも高まります。
短い睡眠によるマイナスの影響は、心臓病や腎臓病、2型糖尿病などの慢性的な疾患を発症させるリスクを増大させる可能性があります。
それでは私達は最低何時間寝ればいいのでしょうか?もう一度確認しておきましょう。
年齢によって、必要な睡眠時間は変化しますが、
10歳までは8~9時間必要、成人になると7~8時間、中年は約6.5時間、65歳は約6時間と、徐々に必要な睡眠時間は短くなります。
これは、年齢に伴う体内時計の変化や、生体機能による睡眠リズムや質の変化によるものです。
夜どれくらいの睡眠を取るかは、短期的にも長期的にも健康に重大な結果をもたらす可能性があります。
良い睡眠の質を保つことで、健康長寿に繋げましょう。これを機会に睡眠を本気で考えて、自分の健康を自分でしっかり守ってくださいね。
参考文献
https://www.shopjapan.co.jp/good-sleep-labo/article/072/#:~:text=%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%81%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E7%9D%A1%E7%9C%A0,%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AB%E4%BC%B4%E3%81%86%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
https://www.yobouigaku-kanagawa.or.jp/info_service/preventive_medicine/pdf/051-056.pdf
https://www.philips.co.jp/a-w/healthyjapan/sleep/risk-sleep-deprived.html
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
⇒より詳しくはこちら