高齢者社会となっている日本では、介護現場に外国人介護士がいることは当たり前の風景となりました。
2021年6月末の出入国在留管理庁の発表によると、日本に住んでいる外国人材は282万3,565人。日本の総人口の約2%を占めます。2020年の新型コロナウイルス感染症拡大予防措置によって新規入国が閉鎖された影響で、2020年末に比べ6万3551人(2.2%)減少となりました。
日本に住む外国人の出身エリアと国籍は(2020年6月末・在留外国人統計より)アジア出身者が全体の84%を占め、国籍ランキング1位が中国、2位が韓国、3位がベトナムとなっています。197ヶ国の外国人が日本に住んでおり、そのうちの約3割が中国(台湾含む)国籍です。
【中国出身の80~90年代来日留学者、いまは親の介護問題で悩む】
中国出身者の多くは80年代から90年代にかけて来日しました。理由は中国の「開放路線政策」です。実は、この時代に来日した人が60歳以上あるいは50代になっていて、そのほとんどが中国にいる親の介護の問題で悩まされています。
例えば中国出身のソウさんは、90年代に日本に留学し、現在は50代後半となりました。日本で家族をもち、いまは東京で2人の子供とご主人の4人家族です。
中国には両親と姉妹兄弟が2人いましたが、父親が亡くなり、母親も近年体が弱くなってしまいました。姉が同じ市内に住んでいるので、母親の面倒をみているそうです。しかし、最近は面倒をみていた姉も疲労によって入院したとの知らせがはいり、ソウさんはとても心配。しかし、いまはコロナ禍ですぐ中国へ行くこともできず大変複雑な気持ちになっているようです。
―親の面倒をみられず、自責の気持ちに
ソウさんの場合は、姉が父親の面倒も見ていたが、いまは病気になってしまったこともあり、母親の面倒は自分が日本でみたいという気持ちになっているそうです。
ところが、現状は母親の親族短期滞在は可能ですが、長期滞在はまだ不可能。将来介護までとなると悩ましいと語っていました。
とはいえ、母親はサポートは少し必要ですが、まだ自立できています。このような場合なら、日本では「サービス付き高齢者向け賃貸住宅」があるので、これを利用するととても負担が減ります。
【サービス付き高齢者向け住宅とは?】
サービス付き高齢者向け住宅とは、「安否確認」と「生活相談」のサービスを受けられる賃貸住宅のことです。
主に民間の事業者(近年は医療法人も増加)によって運営されている施設で、略して「サ高住」あるいは「サ付き」と呼ばれています。
サ高住は基本的に、自立の方などが元気なうちから入居できることを想定して作られた施設です。
まだ心身は健康ではあるものの、一人暮らしをしていくことに不安を感じる方やバリアフリーが整った安全な環境で生活したい方に適しています。
基本的には、サ高住は介護度が低い高齢者向けの施設です!
もし介護が必要になったときは、外部の介護事業所のサービスも利用できます。
【サ高住は中国にあるの?】
中国は介護市場の90%を在宅介護、7%/6%を社区介護、3%/4%を施設介護にしようと進めています。
近年では日本の介護が注目されています。日本の在宅サービスや自立支援、リハビリ、見取り介護、人材育成は大きな可能性があるからです。
現在は主としてデイサービスや有料老人ホーム、在宅介護が多いですが、今後は多様な需要に応じたサービスが生まれることを願っています。
サ高住のようなサービスを中国でも提供すれば、ソウさんのお母さんのような方がそれを利用されるととても助かるのではないでしょうか。
質の高い介護、多様な高齢者ケアが中国に普及していくことを期待します。
【イチイのサ高住】
株式会社イチイが紹介する高齢者向け賃貸住宅は、首都圏で約3,000室を取り扱っています。
イチイ シニア事業部では、ご高齢者のための相談窓口を設けるとともに、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホーム等のご紹介、資料提供、見学会の手配、同行など、さまざまなお客様のご要望にお応えしております。
(株)イチイ運営による「グッドライフシニア」は、順調にアクセス数を伸ばし8月は月間22万PVを達成いたしました。このことから、それだけ多くの方がサ高住を求めていることがわかりますね。同サイトでは、サ高住・シニア向け賃貸、有料老人ホームなどの施設紹介の他、中高年に役立つ介護・福祉・健康・年金などの記事をお届けしています。また、月1回メルマガも配信しています。
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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