
海外で暮らす日本人の数は、年々増加しています。
いったいどの国で、日本人は生活しているのでしょうか。
この記事では、「海外のどの国で、どれくらいの日本人が生活しているのか」について、わかりやすく紹介します。
過去と比較してどのような変化があったのか、海外在留邦人の傾向とあわせてご覧ください。
海外で暮らす日本人(海外在留邦人)の数が過去最多に、その背景とは?
外務省「海外在留邦人数調査統計」2019年版によると、海外に住む日本人(海外在留邦人)の数は、139万370人。
前年と比較すると、約2.84%(38,400人)増加していて、過去最多の数となりました。
海外在留邦人の滞在形態をみてみると、長期滞在者は全体の約63%(876,620人)。
永住権を獲得して住んでいる永住者は、513,750人でした。
アメリカで暮らす日本人が圧倒的に多い
海外で暮らす日本人は、約139万人。
いったいどの国で生活しているのか、外務省の海外在留邦人の調査結果をもとにみてみましょう。
【国別在留邦人数TOP10】
1位:アメリカ(446,925人)前年比+4.9%
2位:中国(120,076人)前年比-3.3%
3位:オーストラリア(98,436人)前年比+1.2%
4位:タイ(75,647人)前年比+4.0%
5位:カナダ(73,571人)前年比+5.1%
6位:英国(60,620人)前年比-3.6%
7位:ブラジル(51,307人)前年比-2.1%
8位:ドイツ(45,416人)前年比-0.8%
9位:フランス(44,261人)前年比+3.6%
10位:韓国(39,403人)前年比-0.9%
引用:「海外在留邦人数調査統計」2019年版|外務省
1位は、圧倒的な数の差をつけてアメリカです。
アメリカは、昭和60年以降、海外在留邦人の居住先国として、首位を維持しています。
海外在留邦人の約32%(446,925人)が、アメリカで生活しています。
対して、2位の中国は、約8.6%(120,076人)。
次いで、オーストラリアは約7%(98,436人)、タイは約5.4%(75,648人)です。
こうしてみると、アメリカに住む人の多さがよくわかりますね。
バンコクに住む日本人が増加
バンコクに住む日本人は、年々増加傾向にあります。
前年のデータと比較すると、バンコクの海外在留邦人数は、前年比+4.2%の55,081人でした。
これは、国別在留邦人数のなかでも、前年比増加率が高いです。
上海とロンドンは、毎年減少
上海(中国)とロンドン(イギリス)に住む日本人は、ここ数年減少傾向にあります。
前年のデータとの比較をみてみましょう。
上海の海外在留邦人数は、前年比-6.2%の40,747人。
ロンドンの海外在留邦人数は、前年比-13.5%の29,667人でした。
中国もイギリスも、国別在留邦人数のTOP10常連国ですが、主要都市から日本人が離れ、別エリアに住むようになってきているようです。
国別在留邦人数の11位以降にあった変化とは?
国別在留邦人数のTOP10は、例年あまり変化がありません。
しかし、今回11位以降にランクインした国のなかで、変化がありました。
11位:シンガポール(36,624人)+0.6%
12位:マレーシア(26,555人)+8.8%
13位:台湾(24,280人)+15.3%
14位:ベトナム(22,125人)+28.1%
15位:ニュージーランド(20,822人)+5.9%
16位:インドネシア(19,612人)-0.5%
17位:フィリピン(16,894人)+2.0%
18位:イタリア(14,600人)+3.2%
19位:メキシコ(11,775人)+5.0%
20位:アルゼンチン(11,561人)+0.9%
引用:「海外在留邦人数調査統計」2019年版|外務省
前年と比較すると、ベトナムは16位から14位へランクアップ。
メキシコのは、20位から19位へランクアップしました。
対して、インドネシアとアルゼンチンの人気が若干下がる結果となりました。
ベトナムとメキシコの人気が上がっている
ベトナムは、日系企業がどんどん進出している国です。
人気なエリアはホーチミンで、前年比+30.6%の11,581人。
長期滞在者はもちろん、永住者も増えています。
メキシコは、日系企業の経済的な成長とともに、徐々に日本人が増加。
2014年以降、自動車メーカーを中心に日系企業が進出。
おもに、グアナファト州のバヒオ地区というエリアに集中して拠点を置いています。
このように、海外在留邦人数を過去データと比較することで、今どの国が日本人から人気を集めているのかという動向がわかります。
注目が高まる、海外在留邦人の今後
海外に住む日本人の今後は、どのように変化するのでしょうか。
日系企業の進出・発展に加え、仕事のチャンスが多い国に、海外在留邦人は集中するのは確かです。
毎年の変化の動向を過去と比較しながらみていくことで、今後需要が高まる国を予測することができるでしょう。
グローバル化にともない、海外在留邦人はますます増加していくはずです。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、「日本へ帰りたい」と願う日本人も増加しているのも事実。
海外と日本を行き来しながらでも快適に過ごせるよう、支援を含めた環境整備をする必要があるでしょう。