南海トラフ地震80年目の備え:外国人が今から始める防災対策(1)

外国人の視点から「南海トラフ地震80年を忘れないために」備えるべきことを考える際には、日本の地震事情や防災対策に慣れていないことを前提とし、分かりやすく実用的な提案を行うことが重要です。

以下に具体的な備えを挙げます。

一・日本の地震事情を知る

①南海トラフ地震のリスク

南海トラフ地震は、過去に何度も日本に甚大な被害をもたらしてきました。
例えば、1946年の昭和南海地震では、大規模な建物倒壊や死傷者が発生し、沿岸部では津波により多くの命が奪われました。
現在も、30年以内にマグニチュード89クラスの地震が発生する確率が高いと専門家が警告しています。このような歴史とリスクを学び、適切な備えをすることが必要です。

②津波のリスク

南海トラフ地震が発生した場合、地震そのものによる揺れに加え、津波の被害が特に深刻とされています。

・津波の特徴
地震後、短時間で津波が沿岸部を襲います。津波はスピードが速く、遠く離れた地域まで到達することがあります。そのため、避難が遅れると命の危険が高まります。

・避難方法
地震後は速やかに津波警報に注意し、避難経路を確認しながら高台や指定された津波避難ビルへ移動しましょう。特に、夜間や雨天時など視界が悪い状況でも対応できるよう、普段から避難ルートを確認しておくことが重要です。

③地震の特徴

日本の地震は次のような特徴があります:

  1. 揺れの継続時間が長い
    他国に比べて、揺れが長時間続くことがあります。長い揺れは恐怖感を増幅させますが、冷静に身を守る行動が求められます。
  2. 余震が多い
    本震後も数日から数週間にわたって余震が発生することが多く、特に被災地ではさらなる被害をもたらすことがあります。
  3. 二次災害のリスク
    地震による地盤の液状化や土砂崩れなどが発生し、建物や道路がさらに被害を受ける可能性があります。これらのリスクに対する知識を持つことが、安全確保につながります。

二. 言語の壁を越えるための情報確保

1地震情報の収集方法

英語対応アプリの活用

外国人が日本で迅速に地震情報を入手するためには、英語や他の多言語に対応したアプリを活用することが有効です。以下のアプリが特に役立ちます:

Screenshot

・Safety Tips(観光庁提供)

・災害時に緊急通知を受け取れるほか、近隣の避難所情報や災害時の行動ガイドを英語など複数の言語で提供します。

・アプリは無料で利用でき、オフラインでも一部情報にアクセス可能です。

Screenshot

・NHK World

・地震速報や津波警報を多言語で発信するほか、日本の最新ニュースや災害関連情報も入手できます。

・ライブストリーミング機能を活用して、リアルタイムでの状況把握が可能です。

オンライン資料の活用

地域ごとに特化した防災情報や地震対策を提供する資料を活用しましょう:

・総務省の災害対応ガイド(PDF)
総務省が発行する資料では、災害時の行動計画や準備すべき物品リストが詳細に記載されています。多言語版も提供されています。

・東京都防災情報ポータル
東京都が運営するウェブサイトでは、避難所の位置、防災マップ、防災対策の基本情報が多言語で確認できます。

・公式サイト: 東京都防災情報ポータル

2防災ガイドブックの確認

自治体が配布する防災ガイドブックは、地域の具体的な避難手順や注意事項を把握するのに役立ちます。

・英語版や母国語版がある場合はそれを活用し、自分に必要な情報を確認しておきましょう。

・特に、「避難所の場所」「緊急時の連絡先」「災害時に役立つフレーズ」が記載されているページをチェックしておくと安心です。

3緊急地震速報の仕組みを理解する

「緊急地震速報(Early Earthquake Warning)」は、地震発生直後に送られる重要な情報です。これを活用することで、地震の揺れが到達する前に準備する時間を確保できます。

仕組み

・地震の初期微動(P波)を検知し、主要動(S波)が到達する前に速報を送るシステムです。

・警報はテレビ、ラジオ、スマートフォンの緊急速報メールで受信可能です。

通知設定の方法

・スマートフォンの設定で緊急速報メールをオンにしてください。

・端末によっては、専用の防災アプリをインストールする必要があります。

気象庁の解説ページ 

・緊急地震速報についてさらに詳しく学ぶには、気象庁の公式サイトを参照してください。

三. 防災グッズの準備

1・非常持ち出し袋の準備

災害発生時、すぐに持ち出せる「非常持ち出し袋」を準備することは、初期対応において重要です。以下は必ず用意すべきアイテムとその理由です:

飲料水

・1人1日あたり1リットルが目安(最低3日分を確保)。パック入りのものは軽量で携行しやすい。

非常食

・レトルト食品、クラッカー、チョコレート、ナッツ類など、調理不要で保存期間が長いものを選びましょう。

・アレルギー対応食品や、子供・高齢者向けの食べやすいものも備えると安心です。

簡易トイレ

・長時間の避難時に役立つ使い捨てタイプのトイレ袋。消臭剤付きが望ましい。

懐中電灯と予備電池

・夜間の移動や停電時に不可欠。ヘッドランプ型は両手を使えるので便利です。

応急手当セット

・包帯、消毒液、絆創膏、鎮痛剤、常備薬を揃えておく。個別の薬は薬剤師のアドバイスを受けて準備する。

モバイルバッテリー

・スマートフォンや小型電子機器の充電に役立つ大容量バッテリーを用意。ソーラー充電機能付きだと長期間使用可能。

パスポートや在留カードのコピー

・防水ケースに保管し、身分証明が必要な場面に備える。重要な書類(保険証、銀行情報など)のコピーも一緒に保管すると便利。

現金(小銭を含む)

・ATMが利用できない場合や、公衆電話を使用する際に必要。

  1. 言語の壁を考慮した備え

外国人の場合、災害時に言語の壁が大きな課題となることがあります。以下の準備が役立ちます:

多言語防災カードの用意

・**CLAIR(一般財団法人自治体国際化協会)**が提供する「多言語防災カード」を活用。連絡先や基本的な要望を多言語で記載しておくことで、緊急時のコミュニケーションが円滑になります。

・リンク先: 多言語防災カード

翻訳アプリ

・Google翻訳や他の多言語対応アプリを事前にダウンロードし、オフラインでも使えるよう設定しておく。音声入力機能があるアプリはさらに便利です。

  1. 防災用品の備蓄

災害時に避難所へ行けない場合や、長期間自宅で生活する場合に備えて、以下のアイテムを備蓄しておくことが重要です:

保存水と非常食

・自宅には最低1週間分の備蓄を目安にしましょう。飲料水は1人1日3リットル、非常食は調理不要で栄養バランスが良いものを選んでください。

使い捨て食器とラップ

・水が使えない状況でも衛生的に食事ができるように、紙皿やプラスチック製カトラリーを備える。ラップで食器を覆えば洗浄の手間が省けます。

防寒具と雨具

・災害時は天候に左右されることが多いため、毛布、アルミシート、防水ポンチョを準備しましょう。

衛生用品

・マスク、ウェットティッシュ、アルコール消毒液、生理用品、乳幼児用おむつなどをストックしておくと安心です。

ラジオ

・手回しやソーラー充電が可能なものを選ぶと、停電時でも情報を得られます。

  1. 日本の防災グッズの使い方を学ぶ

日本独自の防災グッズが数多くあります。その使い方を事前に理解しておくことで、緊急時にスムーズに対応できます:

ポータブルガスコンロとボンベ

・ガスや電気が使えない際の調理に便利。事前に安全な使用方法を確認しておきましょう。

携帯浄水器

・汚れた水を飲料水として使えるように浄化する装置。アウトドアショップなどで購入可能です。

避難用リュック

・背負いやすさを重視して選び、中に入れる物の配置を工夫することで取り出しやすくなります。

まとめ

備えが命を守る
災害時には、外国人であっても迅速に行動し、自分自身と周囲の安全を確保する準備が不可欠です。日頃からの備えが、いざというときの命を守ります。

教訓を未来へ活かす
80年前の地震の教訓を忘れず、地域社会全体で防災意識を高めながら、共に未来に備えていきましょう。

 

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