中華民族の伝統的なお祭りである春節。家族団欒を楽しむ日でもある春節は、中華民族にとって最も重要な行事です。
春節は中国・中華圏における旧暦の正月でもあります。新暦の正月よりも盛大に祝賀され、中国やシンガポールなど9か国の地域では数日間の祝日が設定されています。
日本はいつから元旦だけを過ごすようになったか?
日本は、アジア圏にありながら旧正月を祝う風習がない国のひとつです。しかし、明治維新の前までは日本でも旧暦が使われていて、お正月も旧正月の時期に祝われていました。
新暦に切り替わったのは明治5年(1872年)。同年11月9日に政府が暦を新暦に切り替えると公布しました。太政官布告第337号と呼ばれるもので、1年を365日、1月~12月に分けたものです。旧暦明治5年の12月3日が新暦における明治6年1月1日となり、新暦への切り替え以後、「旧正月」の風習は次第に日本では廃れていきました。
新暦を採用以降の旧正月が廃れた理由ははっきりとしていませんが、欧米諸国の文化を積極的に受け入れていた時期だったことが大きいとされています。
2023年の春節はいつ?
2023年の春節は中国旧暦に基づくと1月22日(日)です。
春節は中国最大の祝日。日本の『あけましておめでとう』のように、春節の挨拶があります。
よく使われる新年挨拶
- 新年快楽(新年快乐 / xīn nián kuài lè)新年あけましておめでとう
- 恭喜発財(恭喜发财 / gōng xǐ fā cái)経済的に豊かになりますように
- 大吉大利(dà jí dà lì)大きな良いことがありますように
中国人はどうしているの?春節のお祝い方法
春節は中国で一番盛り上がる時期。春節に向けての準備は数日前から始まります。地方によって龍の舞や獅子舞など祝い方もありますが、最も伝統的で全国各地で行われている行事は、赤い灯篭や春聯など縁起物の飾りつけです。
爆竹や花火を打道路や建物、家のあちらこちらを春節のメインカラーでありおめでたい色でもる赤で飾ります。具体的に赤い提灯を道路へ掲げ、入り口には赤い対句を飾ります。銀行や公共機関ではお金に恵まれるような新年の様子が描かれた写真が飾りつけられます。
2023年は卯(うさぎ)年なので、兎の形にちなんだ飾り付けもされています。兎のぬいぐるみや兎が描かれたものもあります。
春節ならではのコトモノはこれ!
「春運」
春節時の交通機関の混雑を「春運」といいます。春節の期間は、企業・商店などが3日から一週間ほど休みになります。地方に出稼ぎに出ている人などの多くは帰省し、一家団欒の時を過ごします。
春節聯歓晩会
中国版「紅白歌合戦」といわれているのが、中国のテレビ局CCTV(中国中央電視台)のカウントダウン特番です。これを家族みんなで観るのがお決まり。
おせち料理 「年菜 年夜饭」
夜中12時になると、爆竹や花火を打ち上げたり、餅(主として南方)や餃子(主として北方)を食べたりします。これらを「年菜,年夜饭」(おせち料理)と言います。
このほかにも、夜中の1時過ぎまで起きている習慣「守歳」や、翌朝に近隣や友人、親戚まわりをして春節の挨拶を交わす「拝年」(ご年始・年始回り)があります。日本と違って寺や廟などにお参りする習慣はありません。
中国には元旦があるの?
そもそも元旦とは、「元」は始まりめ、「旦」は夜明けを表す二文字を合わせて「新しい一年」を意味します。
1949年9月27日、中国人民政治協商会議第一回総会は「中華人民共和国が紀元法で年を記する」と決定してから、中国は旧暦の正月を「春節」に、1月1日を「元旦」にしてきました。
元旦は中国の法定休日で、国家主席は元旦前夜において新年の祝辞を発表する慣例があります。元旦において、中国は各地でライトアップされ、新年を迎える熱気に包まれます。
今年の春節はどのように過ごされるのでしょうか? 落ち着いてきたものの、いまだ世界はコロナ禍であり、戦争が起こっているなど平和ではありません。しかし、春節は年に一度の期待が膨らむ日。大切な家族と新たな始まりを祝い、楽しく過ごす日です。今年は兎年ですので、兎のように大きく飛躍し、私たちの生活が大きく向上するよう、新しい門出を祝いたいもの。皆様が幸せに満ちた始まりを迎えられるようお祈りいたします。
※参考資料ネット
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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