毎年の9月1日は「防災の日」です。これは「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」ことを目的として制定されました。
「防災の日」を中心とした1週間は“防災週間”として、さまざまなイベントが行われます。
日本ではこのような長年の防災活動によって、地震対策が着実に進んでいますが、被災後の健康維持については認識が薄まっている側面もあります。特に日本に住む外国人は知識が乏しいです。
そこで今回は、外国人居住者にも知ってほしい「避難生活時の健康維持」についてご紹介します。
1病気の予防
それまで自分で行っていた家事や買い物の機会がなくなることや、生活環境の変化により健康を損ない、次の病気の危険性が高まります。
①生活不活発病とは
筋力が低下し間接が固くなることによって、徐々に動けなくなり、心も沈みがちになってしまいます。生活不活病になるパターンは下記のとおりです。
【生活不活発病が起こるパターン】
①筋力低下し間接が固くなる
②動きにくくなる
③動く機会が減る
具体的には下記が原因となって動く機会が減ってしまいます。
・避難所で遠慮しがち
・特にこれというすることがなくなった
・動く気にならない
【予防策】
―小量頻回の法則
少しでもいいので動くことが大切です。短時間でもできることをこまめに取り入れましょう。
・10分の散歩一日3回
・家事や片付けは回数を分けて
―役割をもつことが大切
目的意識がないと動きにくくなってしまいます。あえて自分にタスクを課して動こうとする意識づけが大切です。
・家事、整理等を行う
②エコノミークラス症候群とは
ずっと座った状態でいると血流が悪くなると血の塊ができ、血管を詰まらせ、肺塞栓などを起こす恐れがあります。
【予防策】
・こまめに水分補給
・ストレッチやラジオ体操
・ふくらはぎを軽くもむ
・足の指をグーパーする(足の指でグーをつくり、ぱっと開く
・足首を回す
何事もちょこちょここまめにすることがポイントです!
2食事
災害発生直後の避難所の食事は、おにぎりや菓子パンなどの炭水化物が多く、乳製品やたんぱく質製品、野菜が不足するなど、偏りがちになります。
そこで、日頃から災害時に向けて備蓄しておきましょう。
【備蓄品】
・魚、肉などの缶詰
・野菜ジュース
・各家庭で必要としている食料(ベビーフード、アレルギー対応食品、とろみ剤など)
3口腔ケア
避難生活では、水の不足等により、歯・口・入れ歯の清掃がおろそかになって、食生活の偏りや水分不足、ストレスなども重なって、むし歯・歯周病・口臭などが生じやすくなります。
特に高齢者は体力低下も重なり、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症を引きおこしやすくなります。
【備蓄品】
・歯ブラシ
・マウスウォッシュや液体歯磨き
まとめ
災害が起こると、被害の大きさによっては避難生活が長期化することも想定され、健康にさまざまな影響を与えます。
今回は災害時に健康を維持するために、気を付けてもらいたいポイントをご紹介しました。
是非これからは、基本となる備蓄と共に、災害への備えを健康面から考えて用意してくださいね。
【参考資料】
▼災害時に健康維持に必要な情報は下記からご覧になれます▼
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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