季節の変わり目は天候が不安定で、自宅でのんびりと過ごす日々が増えています。日本では、秋は知識と文学に焦点を当てる季節とされ、”芸術の秋”、”スポーツの秋”、”文化の秋”と呼ばれています。その中でも今回は、「読書の秋」に焦点を当ててみたいと思います。
日本の秋の風物詩「読書週間」の始まりについて
秋の読書週間は、日本における読書文化を推進し、読書の重要性を広めるために設けられた特別な週間です。この週間は、一般の人々や学生に向けて、本を読むことの楽しみや重要性を強調し、読書習慣を奨励するイベントが行われます。
読書週間は10月27日〜11月9日の2週間、ちょうど11月3日の文化の日を挟む形で開催されていますが、第1回目の読書の日だけ開催日程が違います。
第1回の読書週間が開催されたのは、第二次世界大戦が終わってからまもない1947年に遡ります。「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という志のもと、出版社、書店、図書館などを中心に、新聞社や放送局も巻き込みながら、11月17日~23日の1週間にわたって開催されました。なぜこの日程だったかというと、当時のアメリカでは、11月16日から1週間、「チルドレンズ・ブック・ウィーク」という子ども向けの読書イベントが行われており、これを参考にしたと言われています。
読書週間には何をする?
秋の読書週間では、読書の楽しみや重要性を伝えることを目的に、日本各地の学校や図書館、書店、文化複合施設などで様々な読書キャンペーンやイベントが開催されます。例えば、書店では特設コーナーや作家を招いたトークショーやサイン会、割引セールイベントが開催されます。著者が幼少期の頃、ハリーポッターの翻訳者が地元の書店でサイン会を行うことになり、その前に小説を読破したことを思い出します。また、読書週間の時期には、学校から推薦される課題図書を読んで感想文を書く宿題が課されたり、本を読んだ冊数で表彰など、読者習慣を身につけるために様々な工夫が施されていました。
中国ではどう過ごすの?
中国では2つの読書に関する記念日がります。1つ目は4月23日の世界本の日です。これは1995年にユネスコ総会で制定された世界的な読書記念日です。中国でもこの日に合わせて公共施設や学校内で読書に関連する様々なイベントが開催されます。また2014年には中国国務院より毎年9月28日が全国読書節に指定されました。この日は孔子が生まれた日であり、期間に合わせて図書の推薦や世界各地の孔子学院で関連する読書イベントが行われています。
「豆知識」読書の秋は中国から伝わった?
「読書の秋」という言葉は、8世紀頃、唐王朝の時代に活躍した中国の詩人、韓愈が自著「符読書城南詩」の中で記した詩から由来しています。「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒」という詩です。詩にによると、秋になって長雨が終わり、空も晴れ、涼しさが丘陵にも広がり、夜の灯に親しんで書物を広げられるという意味が込められています。
この詩は、明治時代の文豪である夏目漱石が1908年に発表した小説『三四郎』の中で引用したことで、秋が読書の季節であるイメージが一気に日本中に広まり、「読書の秋」という言葉が定着したと言われています。
今年の読書デーまで残り数日です。皆さん、今年の秋にはぜひお好きな本を見つけて楽しんでくださいね!読書の秋を楽しむことができますように。
参考文献:
読書の秋の由来!今に通じる読書を進める親心がそこに!
https://mshabit.info/dokusyo_aki/
読書週間とは?期間と由来、読書をするメリットを紹介!
https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/childminder/knowledge/12355/
世界本の日に読書を楽しむ中国の人々
http://j.people.com.cn/n3/2022/0424/c94638-10088487.html