日本在住外国人の出身国は「中国」が1位
2020年6月末出入国在留管理庁【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】によると、2020年6月末の在留外国人数は288万5,904人となりました。2013年以降、外国人登録者数は年々増加しており、毎年、過去最高値を記録しておりましたが、2020年2月頃拡大した新型コロナウイルス感染症の影響で減少に転じました。
在日外国人の数が多い上位5つの国は、以下の通りです。
国別 | 総人数 |
中国 | 786,830 |
韓国 | 435,459 |
ベトナム | 420,415 |
フィリピン | 282,023 |
ブラジル | 211,178 |
現在197ヵ国の外国人が日本に住んでいて、内中国が一位をキープしています。
出典:在留外国人統計(旧登録外国人統計) / 在留外国人統計
日本で働く外国人の出身国は「ベトナム」がトップ
国籍別でみると、これまで日本で働く外国人の出身国は「中国」でしたが、2020年/令和2年10月末で、はじめて「ベトナム」が最も多い出身国となりました。首位が、ベトナムで全体の25.7%(443,998人)で前年比10.6%増加、次いで中国が全体の24.3%(419,431人)、次いでフィリピンが全体の10.7%(184,750人)となります。また、ネパールは前年比8.6%(7,858人)増加となっていますが、ブラジル・ペルーは減少しています。
日本で働く外国人の状況は?
令和2年/2020年10月末時点での厚生労働省「外国雇用状況」の届出状況まとめ(2020年/令和2年10月末)の統計によると
外国人労働者を雇用している事業所数
外国人労働者を雇用している事業所数は267,243か所、 外国人労働者数は1,724,328 人であり、令和元年10月末現在の242,608か所、1,658,804人に比べ、24,635か所(10.2%)、65,524人(4.0%)の増加となりました。
外国人を雇用している事業所数及び外国人労働者数は、平成19年から届出が義務化されました。それ以来、過去最高の数値を更新しましたが、対前年増加率は、事業所数で前年 12.1%から1.9 ポイント減少、労働者数は前年 13.6%から9.6 ポイントと大幅な減少となっています。
産業別外国人労働者数の対前年増加率
「宿泊業、飲食サービス業」 が-1.8%(前年比 13.4 ポイント減)、
「製造業」が-0.3%(同 11.6 ポイント減)、
「サービス業(他に分類されないもの)」が 3.9%(同 11.7 ポイント減)、
「卸売 業、小売業」が 9.2%(同 5.0 ポイント減)と、
新型コロナウイルス感染症の影響等により雇用 情勢に厳しさがみられる中、外国人労働者についても影響が生じ、前年と比較して低下しているとみられています。
在留資格別
ベトナム在留資格「技能実習」が 49.2%、次いで「資格外活動」のうち「留学」が 28.7%を占めています。
中国では「専門的・技術的分野の在留資格」が29.2%、「身分に基づく在留資格」が28.4%、「資格外活動」のうち「留学」が19.0%、「技能実習」が18.3%となっています。
フィリピンでは「身分に基づく在留資格」の割合が 70.0%を占めており、その内訳をみると「永住者」がフィリピン全体の41.4%となっています。
ブラジルでは「身分に基づく在留資格」の割合が 98.9%を占めており、その内訳をみると「永住者」がブラジル全体の 48.1%、インドネシアでは「技能実習」が 62.3%を占めており、ネパールでは「資格外活動」のうち「留学」が 44.3%を占めています。
出典:出入国在留管理庁
日本で働く中国人総数は?住んでいる主な都市は?
・総数 786,830
・北海道 10,121
・埼玉 75,134
・千葉 55,256
・東京 225,239
・神奈川 74,515
・愛知 49,490
・京都 15,687
・大阪 67,828
・兵庫 23,851
・福岡 20,393
出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和2年 10 月末現在)
訪日外国人数ランキング
JNTOの推計によると2021年2月の訪日外客数は前年同月比-99.3%の7,400人でありました。入国者数は2020年4月(2,917人)を底に回復の傾向があったものの、新型コロナウイルス変異型の影響で出入国規制が強化され、前月(46,500人)から8割を超える減少となり、2020年8月(8,658人)並の水準でした。
2021年2月の訪日外客数を国・地域別にみると、中国が1,700人と最多で、前月最多だったベトナムは20,000人から200人に激減しました。
出典:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計よりJTB総合研究所作成
日本で働く外国人、今後の動向は?
2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大で、日本に住む外国人数は減少しましたが、中長期的にみると少子高齢化の日本において、日本で働く外国人はこれからも増加傾向と言えるでしょう。
• 日本に住む外国人は288万人(2020年6月)で、日本の人口の約2%
• 197ヶ国の外国人が日本に住んでおり、約8割がアジア出身、1位は中国で約3割
• 外国人の約4割は一都三県に居住
• 在留資格は、永住者が最も多く、次いで技能実習生、留学生は30万人をきる
• 働く外国人は172万人(2020年10月)
• 働く外国人、1位はベトナム(初)、2位は中国、3位はフィリピン、ベトナムが中国を抜き首位に
• 製造業、卸売・小売業、宿泊業などで外国人が活躍、製造業が最も多い
• 30人未満の中小企業で勤務する外国人が35%
少子高齢化が進む日本は、労働力不足・グローバル化・生産性向上という課題に直面しており、外国人材をはじめとする多様性ある人材の活用が欠かせません。
多様性ある人材が活用できる組織づくりは一日にして成らず、です。いまからトライ&エラーでしっかり組織としての経験値をつんでおくことをオススメ致します。
出典:厚生労働省 グローバルパワー
■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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