ベトナムと日本での就活の違い(外国人雇用豆知識)

ベトナムでは、大学のランクおよび成績で採否が決まる。入社試験もあるが面接等はほとんどない(採用したい人との面談は多い)。重要になってくるのは人脈も大きなポイントになり、就職者の経験や能力(卒業学部)を重視した採用となる。ベトナムでは大学卒業の資格を持つことの価値は高く、当該分野の学士を持っていなければ、その専門職として働けないルールもあり、優秀な学生を採用しようとすれば、自ずと上位ランクの大学に集中する傾向にある。

人材の流動化が進むベトナム

 ベトナムでは現在、転職に継ぐ転職の波が大卒者に訪れている。企業は、ルールに従い大卒を専門職に就かせなければならず、例えば、企業の会計には、大学で会計学を専攻していた大卒の採用を義務づけている。ベトナムの大学は、旧ソ連の影響が強く、ソ連式の専門ごとの単科大学がほとんどである。総合大学と銘打っている大学もあるが、実態は単科大学である。2018年11月に40年ぶりとなる教育法改正でベトナムの教育改革を促進する決定がなされたが、地方再生と工業化の波に大学制度がどのように変化していくのかは見守る必要がある。現在は、合弁、外資による工業化で優秀な大卒の社員は、自分のスキルアップのため転職を繰り返している状況が続き、採用側の企業にしてみれば、自社で育てた中間管理職も転職やヘッドハンティングで戦力を失う状況が続き、人材紹介会社の暗躍が目に付くようになってきている。優秀な人材を欲しがる企業はどこも一緒で、新卒においても中間管理職採用においても、一か所・一人に集中し、一部の優秀な人材の人件費高騰へと繋がっている。

インターンシップで学生は実習を経験

 ベトナムの大学では、四年制と五年制を採り入れている大学があり、それは各大学の裁量に任せてあるが、特に理工系の単科大学に五年制を採り入れている大学が多くみられる。これは、理工系の特徴でもある技能の実験実習をインターンシップによって、その技術の習得を外資系の企業にお願いせざるを得ない大学の事情があるからに他ならない。専門の講師陣の不足、実験設備の不足などがあげられる。問題点として、大学では講義だけが行われ、理工系として必要な実験実習研究が乏しすぎる、との申し出を各国の企業よりベトナム政府は受けている。社会主義国であるベトナム政府が大学に求めるものは、統一的なプログラムの完全履行を要求されるのであろうが、大学としては実習実験の実践技術を学生に学んでもらうかの対策を練り、海外の大学との単位履修の協定に臨むも、先進国では断られるケースも残念ながらある。日本とは、高等専門学校との提携により技術的な実習を試みている。

ベトナムの新たな徴兵制度による就職年齢の遅れ

 ベトナム政府は、兵役法の改正により新たな徴兵制度を2016年1月に施行した。この新たな徴兵制により18歳から25歳までの男子(女子は志願による許可制)は、人民軍に参加することを義務づけられることになった。兵役期間は、24ヶ月。大学生は、徴兵制の対処年齢ではあるが、兵役義務の一時免除対象となっている。大学の正規課程に在学中の学生(兵役義務を一時免除し、兵役の対象年齢を27歳まで猶予する。但し、大学への入学手続き前に入隊書の交付を受けた場合、兵役義務の一時免除対象とならない)となっている。22歳で大学を卒業しても27歳までに兵役の義務を負うケースが出てくる。兵役の義務が終了するまでは、まともな職に就くことは難しくなるだろう。せっかく大学で学んだ専門も2年3年のブランクは、技術の革新には置いて行かれることもある。大学生の職へのこだわりは、どうしても兵役終了後とならざるを得ないことになる。それでも今のベトナムにおいては、大学卒業の資格は憧れの存在ではある。

岐路に立つ在留資格、特定技能と留学

日本は外国人留学生の大幅な増加計画を打ち出し、研修生の受け入れを実施し、その後労働者の大幅な受け入れ拡大として2019年4月から実施し、労働者補充の観点から在留資格を大幅に改定した。留学生として来日する外国人留学生は大学の別科や日本語学校で初歩の日本語を習得する。このため大学の別科や日本語学校は増員対応を続けていたが、今後、日本に留学を希望する学生数の減少が懸念される。現在、留学生は資格外活動の申請により週28時間以内の労働が認められていることから、特にベトナム人・ネパール人・フィリピン人の留学生に喜ばれていた。だが今後は、一定の技能があると判断された外国人については、建設業界、介護業界、製造業界、外食や宿泊業界など14業種に外国人の就労が解禁される。在留資格「特定技能」の新設である。新しい在留資格ができて、アルバイトで学費や生活を賄っている貧困国の学生たちは、労働だけを選ぶのか、留学とアルバイトを選ぶのか、今、岐路に立たされている。

一気に増えたベトナム人留学生

 日本学生支援機構の発表では、平成30年度(2018年度)外国人留学生在籍状況調査によると2018年5月時点での日本におけるベトナム人留学生数は72,354人で、前年度の61,671人と比べて17.3%(10,683人)増加した。ベトナム人留学生は、海外から日本への留学生数の24.2%(前年度23.1%)を占めるようになり、国別留学生数で前年度同様、中国(114,950人、構成比38.4%)に次いで第2位の位置を占めている。また、日本語教育機関(専修学校を除く)では、30,271人(前年度26,182人)へと増加し、中国の28,511人を抜いて留学生国別で第1位に昇り詰めている。この状況から考えられることは、出稼ぎ留学生との評価を受けることになりかねない要素も含まれている。

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