新型コロナウイルス感染症の影響で、来日予定だった特定技能外国人が来日できないという事態が起きました。コロナ禍では当人たちも本当に働けるのか不安だったと思います。現在も来日できていない方は多いでしょう。
しかし、少しずつ光が差してきています。北海道に本社を構える株式会社チョモランマ(事業内容:登録支援業務および外国人材の紹介等)と株式会社エンビト(事業内容:介護業界において研修・人材紹介・人材派遣事業等)は、オンライン面接で特定技能外国人と介護施設の採用面接を実施しました。Zoomでインドネシア・ネパールにある日本語学校と介護施設をつなぎ、採用面接を実施したところ、24名の候補者が内々定及び内定を獲得。来日が決定しました。
このような取り組みは在日できていない特定技能外国人にとっては朗報ではないでしょうか。今回はこの2社の取り組みが行われることになった経緯をお伝えします。
どんな状況でも人手不足の介護業界
特定技能外国人が介護業界を救う!?
コロナショックで解雇になった外国人労働者も多くいる今日。巷では「コロナ禍で人手余り」という言葉を目にしますが、介護業界は農業など第一次産業と並び、深刻な人手不足問題を抱えています。
法務省「介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」によると、介護業界は今後5年間で約30万人の人手不足が見込まれています。人手不足の原因は、人材獲得競争の激化・介護施設の不足・平均給与の低さなど。このような状況下において、特定技能外国人の雇用が、介護業界を支える存在になると言っても過言ではないでしょう。
アジア圏出身の特定技能外国人が日本の介護業界を志望
実は、アジア圏には日本の介護業界を志す若者が多くいます。インドネシア・ネパールには介護職に志を持った多くの若者がおり、日本の介護施設への就職を目指している現状。現地の日本語学校では日々勉強を重ねているのです。
コロナ禍で大活躍のZoom
両者の状況を踏まえて前述の2社では、コロナ禍で人の移動が制限されるなかでも日本の介護施設・日本の介護施設で働きたいという夢を持った若者の架け橋となるため、Zoomを使用しての面接実施に至りました。
在留外国人を支えるオンラインサービス
Zoomは今回のコロナショックで学生から社会人はもちろん、プライベートの場でも大活躍しているWEB会議ツール。今回の事例のように、在留外国人をサポートするオンラインサービスは着々と増えています。
外国人留学生を支えるウェビナー
その代表格がウェビナーです。外国人留学生の就労をサポートするさまざまなウェビナーが開催されています。
コロナウイルスの影響により対面での説明会が激減し、そのぶんウェビナー(ウェブセミナー)が開催されるようになりました。 ウェビナーは、オンライン上でできるセミナーなので、各自自宅で参加することができます。室内で密集する心配もありません。 現在、企業や団体が、外国人留学生向けウェビナーを...
自宅で学べる!外国人留学生向けオンライン日本語学習
外国人留学生の日本語学習のサポートも登場。ボンド株式会社は、個別指導の学習塾「明光義塾」を全国展開する株式会社明光ネットワークジャパンとともに、オンライン日本語学習教材「Japany Language」の無償提供を4月から開始しました。
緊急事態宣言の解除が延長され、外出自粛が続くなか懸念されているのが学生の学習状況です。入学の延長や休校など、新たなスタートを切れない現状に不安を抱いている学生は多いでしょう。そういったなか、オンライン学習で学生を支援する動きが活発化しています。これは日本人学生のみならず、外国人留学生にも同様のサ...
このように、日本で就労したい外国人に向けさまざまサービスが生まれているのです。
今後の特定技能外国人について
今後、日本では特定技能指定14業種の合計受け入れ見込みは5年間で34万5,150人、そのうち介護業に関しては6万人を見込んでいるといいます。しかし、法務省「特定技能1号在留外国人数(令和2年3月末現在)」によると、令和2年3月末の時点で、介護業における特定技能外国人は56人と、6万人には遠く及ばない状況です。だからこそ、人手不足を解決するには特定技能という在留資格を介護業界へ広め拡大していくのが不可欠。入国制限が緩和されるタイミングで、優秀な外国人人材をいち早く採用できるかが、日本の介護業における人手不足を解決するひとつとなることは間違いないでしょう。
特定技能外国人を阻む壁
しかし、外国人採用にはさまざまな問題があります。言語・文化の違い・スタッフや利用者の方の反応などが挙げられます。これらは決して簡単に解決できるものではありません。日本の介護職を目指す彼らがどのように過ごし、何を不安に思っているのかを知ることが重要です。
現地の特定技能外国人に会ってサポート!
そこで(株)チョモランマは、実際に現地の日本語学校へ赴いてサポートを予定。現地の様子を肌身で学び、候補者一人ひとりと面談を実夢を語り合うことで、自信をもって紹介できる人材の紹介を目指します。同社の別事業である訪日旅行事業のノウハウを生かし、登録支援機関として外国人・国・文化にあったサポートを実施していきます。
このように、特定技能外国人のサポートは確実に広がっています。今、不安に思っている特定技能外国人も大丈夫。あらゆるところで予想以上のサポートがあるかもしれません。日本で働くことを諦めないでくださいね。
出典:PRTIMES