日本茶と中国茶は何が違う?〜古代中国から続く茶の旅路。茶の源流に迫る

お茶といえば、日本では緑茶が多く、主に煎茶、玉露、抹茶、番茶、ほうじ茶などがあります。これらのお茶は発酵をほとんど行いません。一方、中国のお茶は種類が非常に多く、区別が難しいのが現状です。中国のお茶は主に発酵度合いや製法によって多くの種類が存在し、600以上の種類があります。

この度、筆者は中国茶芸の先生、鄭燕氏の講義を聞いてきました。その内容に基づき、少し資料を調べ整理して読者と共有したいと思います。ぜひご覧になって、生活に役立ててください。

お茶の祖先〜起源は雲南省と四川省

お茶の祖先は中国南部、特に雲南省と四川省に起源があります。雲南省には最古の茶樹があり、数千年にわたってお茶の栽培と消費が行われ、プーアル茶が有名です。四川省も古代から茶の栽培が行われ、茶文化の発展に重要な役割を果たしてきました。

茶樹の起源としては、カメリア・シネンシスという東アジア原産の常緑樹があり、温暖で湿潤な気候が適しています。お茶の発見者は紀元前2737年頃の伝説の帝、神農氏とされています。

中国のお茶の歴史は数千年にわたり、深い文化と伝統に根ざしています。

中国茶の歴史

 漢代(紀元前206年 – 紀元220年)

お茶はこの時代に薬用として使われるようになりました。漢方薬としての利用が主で、一般的な飲料としてはまだ普及していませんでした。

お茶は世界で最も人気のあるノンアルコール飲料の一つです。

中国は世界で最初にお茶を発見し、栽培、利用した国です。歴史的データによると、5,000年前に中国の祖先が茶樹の解毒効果を発見しました。中国はお茶の故郷であり、長い歴史を経て、現在では世界50か国以上でお茶が楽しまれています。

古代における茶の利用方法とは?ーはじまりは生の葉を噛んだこと

古代、中国人が初めて野生の茶の木を発見し、生の葉を噛み始めました。伝説によれば、茶樹の新鮮な葉を味わい、その魔法の解毒特性を最初に発見したのは神農氏だったと言われています。

漢代の医学書『神農本草経』には、「神農は数百の薬草の味と泉の甘さと苦さを味わい、人々は何を避けるべきかを知った。この時、毎日七十二の毒に遭遇し、それらは本格的に解決された」と記されています。

周の時代、春秋時代における茶の利用方法

周の時代、春秋時代には、茶葉を長期保存して生贄として使用するために、古代人は徐々に茶葉を乾燥させる方法を学びました。茶葉を天日で乾燥させ、水で煮出して飲むこの方法は長く続きました。晋時代の郭普は、古代辞書『爾雅』の注釈において、お茶は「煮出してスープにすることができる」と述べており、晋時代の人々がこの飲み方を採用していたことを示しています。

唐の時代

唐の時代(618~907年)になると、お茶を飲む習慣は全国に広がりました。このころのお茶は、蒸した茶葉を搗き固めて乾燥させた餅茶(へいちゃ)が主流でした。茶葉はすでに全国で栽培されていましたが、消費地への運搬には固形茶が便利だったと考えられます。

 『茶経(ちゃきょう)』について

世界で最も古いお茶の本といわれている『茶経(ちゃきょう)』は、唐の時代に陸羽(りくう)によって記されました。『茶経』は、3巻10章から成り、お茶の起源、歴史、製造法、茶道具、淹れ方、飲み方、産地、心得にまで及びます。

その中には、餅茶の作り方や飲み方についても詳しく書かれており、摘んだ茶葉を蒸し、搗いて型に入れて成形し、日干し後、火で炙って乾燥して保存し、飲用する時はそれを削って粉砕し、塩を入れた湯に加えて煮た後、器に入れて飲む、とあります。

宋代の点茶

唐の時代がお酒の時代であったならば、宋の時代はお茶の時代でした。皇帝の宣伝と奨励の下、茶を味わうことは宋代の文人生活においてますます重要な位置を占めるようになり、風雅な茶事の流行を大いに助長し、宋代の人々の茶の風俗を一層豊かで多彩なものにしました。

時には「闘茶」と称して、お茶の良し悪しを鑑定し、茶器の良否を競う遊びも行われました。飲み方も、緊圧茶の茶葉を粉末にし、茶碗に入れてお湯とかき混ぜるという、日本の抹茶のような方法が行われていました。このような習慣は、当時の学識ある儒者たちの冷静な論道の風尚と相まって、独特の宋朝士大夫の風格を形成しました。

明代のお茶入れ

明の時代になると、お茶は大変動の時代を迎え、貴族と富裕市民に限られていた喫茶の習慣が一般市民へと普及していきました。この時代、団茶はお茶本来のおいしさを損なっており、また、製造に手間がかかるという理由で、初代皇帝の洪武帝(朱元璋)は団茶禁止令を出し、貢葉茶にしました。その後、「散茶」が本格的に生産されるようになり、茶葉の主流が急変しました。さらに蒸し製法に代わり、釜炒り製法が一般的になりました。

唐や宋の時代には、茶葉を粉末にして飲む方法が定着していましたが、明代の人々はこの飲み方を「簡単で便利」と考えていました。

日本にお茶が伝えられた経緯

日本にお茶を伝えたのは、中国の文化を学ぶために海を渡ったお坊さんたちでした。約1200年前、中国から帰ってきたお坊さんが天皇のためにお茶を入れたことが記録されています。このころのお茶は非常に貴重なものでした。
その後、日本でお茶の木が植えられ、お茶が作られるようになりました。安土桃山時代には、千利休によって茶道が広まり、日本独自のお茶文化が発展しました。江戸時代には、この茶道の影響を受けたお茶作りが広まりました。

まとめ

中国茶の歴史は、紀元前から現代に至るまで、長い年月をかけて発展してきました。古代の発見と利用から始まり、周・春秋時代には乾燥と保存方法が確立され、唐代には盛んになり、全国に普及しました。宋代には点茶や闘茶といった文化が栄え、明代には散茶と釜炒り製法が主流となり、喫茶の習慣が一般市民に広まりました。

中国茶は単なる飲み物にとどまらず、豊かな文化と歴史を持つ存在です。その深い伝統と多様な飲み方は、今日でも世界中で愛されています。

 

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■ライタープロフィール
名前:姜春姫(きょう・しゅんき)女性
「医・職・住」ラボでは、グローバルな視点で、日本と中国との高齢者が直面する医・職・住の問題を提起し、特に日本に住んでいる外国人の問題を提起する。
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